米の1人当たり消費量が2016年度は増加、家庭炊飯けん引 画像 米の1人当たり消費量が2016年度は増加、家庭炊飯けん引

制度・ビジネスチャンス

 米の1人当たり消費量が2016年度は増加に転じたことが、米穀機構の調べで分かった。家庭内消費が盛り返したことが大きい。中・外食も伸び、そろって前年を上回るのは同機構が11年度に調査を始めてから初。おかずは買って帰り、節約志向でご飯は家で炊くというスタイルが広がってきた。1人暮らしや共働き世帯の増加に伴う調理の簡便化ニーズは、米の消費減少の理由とみられていたが、メーカーなどは「精米を手軽に調理できる工夫が広がれば、消費を刺激できる」と期待する。

 米穀機構によると16年度、1カ月1人当たりの平均精米消費量は前年度から6%増の4.7キロ。米価が前年産から8%(相対取引価格)高かったにもかかわらずで、伸び幅も過去最高。米消費の7割を占める家庭内消費が6%増の3.2キロとなり、月別でも全ての月で前年を上回った。中・外食消費も7%増の1.5キロとなった。

 国内の主食用米需要量は毎年8万トンペースで減っている。家庭内の落ち込みが目立ち、調理の手間を減らしたい消費者のニーズもあって中食・外食にシフトが進む。

 だが今回は、1人当たりの家庭内消費が増加に転じた。背景には「節約志向がある」(同機構)。総務省の家計調査では出費全体を抑える傾向が強まっている。半面、支出に占める食費の割合「エンゲル係数」は2人以上世帯で26%と、約30年ぶりの高水準。共働き世帯の増加で調理済み食品の購入が増えた。

 中食の市場規模は、15年までの10年間に26%成長。外食の3%を大きく上回る。コンビニエンスストア業界は、ご飯に合う総菜の販売に力を入れ、大手のファミリーマートは昨秋にシチューやカレー、焼き魚といった総菜を大幅に拡充した。

 調理を簡便にしながら節約するため、おかずを外で購入する分、ご飯は家庭で炊飯するという組み合わせが広がりつつある。JC総研は「冷凍保存するつもりで、一度に多めの量のご飯を炊いている消費者が増え、単身女性層では半数近くに及ぶ」と分析する。食品保存容器を展開するクレハ(東京都中央区)は16年度、ご飯の冷凍保存容器の売り上げが前年度比で3割近く伸び、今後も伸長が続くと見通す。

 大手米卸の神明は「炊飯時間を短縮できる炊飯器を開発するなど、若い人や女性らの消費を取り込むことで、需要は伸びしろが見込める」と話す。情報分析会社のタクミインフォメーションテクノロジーは「これまで調理の時短化ニーズが米消費減の要因となっていたが、日本人のご飯好きは変わっていない。逆転の発想で炊飯を簡便化できれば、消費を反転攻勢させる可能性がある」と指摘する。

家庭炊飯けん引 総菜充実が後押し 節約と簡便化両立 1人当たり米消費量増加

《日本農業新聞》

編集部おすすめの記事

特集

制度・ビジネスチャンス アクセスランキング

  1. 主要ゼネコン26社/17年3月期決算/最高益更新相次ぐ、全社が増収見込む

    主要ゼネコン26社/17年3月期決算/最高益更新相次ぐ、全社が増収見込む

  2. 国交省が道路橋技術基準改定へ。耐久目標100年規定、長寿命化へ部分係数法を導入

    国交省が道路橋技術基準改定へ。耐久目標100年規定、長寿命化へ部分係数法を導入

  3. 週休2日、5年で定着めざす! 日建連の働き方改革

    週休2日、5年で定着めざす! 日建連の働き方改革

  4. 国交省が公共建築積算一般管理費率を見直し。中規模で予定価格2.6%上昇

  5. 【外国人技能実習生:3】中国とベトナムの実習生最新事情

  6. 宮崎県/防災拠点庁舎建設3件入札公告/建築はWTO対象

  7. 成功する新業態:01|月2000円で飲み放題のコーヒースタンド

  8. ライドシェア解禁は「極めて慎重な検討が必要」/国土交通白書

  9. 国交省/建設産業政策会議取りまとめ議論開始/国民に向け産業の必要性打ち出す

  10. 「中小企業の《経営論》」第17回:社員が辞めていってしまう社長が一生懸命に変えたこと

アクセスランキングをもっと見る

page top