BONSAI、海外でブーム沸騰! 訪日客が長蛇の列 画像 BONSAI、海外でブーム沸騰! 訪日客が長蛇の列

インバウンド・地域活性

 「日本ブーム」を背景に盆栽が海外から注目を集める中、さいたま市で28日、一般向けの公開が始まった。第8回世界盆栽大会に、海外からも愛好家らが“本場の盆栽”を目当てに大挙して訪れ、入場時に行列ができるほどにぎわっている。会場には、全国200の業者が自慢の名品を展示。国も農林水産物輸出の有力品目と位置付け、海外PRなどを後押しする。
訪日客が大挙 
 27~30日の日程で始まった大会は、各国で4年に1度開かれる“盆栽のオリンピック”。メイン会場の「さいたまスーパーアリーナ」の入場口には「BONSAI」目当てに来日した海外からの来場者などで、長蛇の列ができた。大会は主に海外で開いており、発祥の地である日本での開催は実に28年ぶり。期間中、2万人以上の来場者を見込む。

 江戸時代から皇居に設置されている樹齢400年以上の盆栽や、作家の川端康成旧蔵の五葉松、愛好家所蔵の300点を超す盆栽を展示。主産地の埼玉県を中心に全国の199業者が、盆栽や鉢を所狭しと並べた。インバウンド(訪日外国人)向けには、検疫を踏まえ全て根を洗って販売する。農水省は検疫官を派遣、各国の検疫条件に応じた検査に対応している。

 大会を目当てにイタリアから訪れたというトセット・ジョバンニさん(60)とモルビアート・パウロさん(51)は「すごくきれい。古さの中にある美しさに魅力を感じる」と語る。同国では若者が盆栽に関心を持っており「イタリアにはない文化で、木が感動を与えてくれる」と目を輝かせた。
“本場”は後継者難 文化継承へ講座も
 盆栽に注目が集まる一方で、国内では後継者不足に悩む現実もある。埼玉県美里町で「香楽園」を営む、職人歴45年の福島源太郎社長は「愛好家も生産者も共に高齢化が進み、後継者不足で廃業する業者もいる」と話す。28年ぶりの国内での開催とあって「盆栽業界の活性化につながる」と期待する。

 さいたま市は愛好家の拡大と後継者育成を図り、日本初の盆栽専門講座「国際盆栽アカデミー」を5月に開講する。盆栽の整姿や手入れ方法などの技術指導や文化などを伝える初級、中級、上級の3コースを設定した。定員(40人)の3倍を超す申し込みがあり、反響は大きいという。

 大宮盆栽美術館の学芸員、林進一郎さん(37)は「盆栽文化を一緒に盛り上げてほしい」と期待を寄せる。
80億円の輸出産業 検疫緩和働き掛け
 財務省の貿易統計によると、盆栽を含めた植木、鉢物などの輸出額は近年、増加傾向だ。16年は80億円で、10年前の06年(23億円)と比べ3.4倍に拡大した。主な輸出先はアジアで中国45億円、ベトナム13.6億円、香港7.2億円と続く。

 海外で人気が広がり、欧州各地でも愛好家が増加。現地での生産も普及し、若者が本場の日本へ研修生として訪れる。

 農水省は農林水産物の輸出を促進する中で、盆栽を有力な品目の一つと定め、海外での展示会や、手入れ実演などを支援してPRを強化する。輸出先の検疫条件に応じた消毒方法の実証や、人気の高いクロマツの輸出解禁を欧州連合(EU)に働き掛けている。(川崎学、福井達之)

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盆栽 BONSAI 海外でブーム沸騰 世界大会 28年ぶり日本開催 さいたま市

《日本農業新聞》

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