~あたらしい訪問型ビジネス:4~いつもと同じ環境の中での“アイケア” 画像 ~あたらしい訪問型ビジネス:4~いつもと同じ環境の中での“アイケア”

制度・ビジネスチャンス

【記事のポイント】
▼高齢化社会の到来に対応する新しいサービスとしての訪問販売
▼お店を“まるごと”、訪問先で展開する
▼高齢者の複数の要求を受けとめるための方策は何か?を考える


■メガネスーパー、逆風のなかでの「アイケアカンパニー」への転換

 かつては「メガネチェーン御三家」として店舗を大幅に増やすなど順調に成長を遂げてきた(株)メガネスーパー(本社・神奈川県小田原市)。しかし、21世紀に入り勢力を伸ばしてきた安売り店との競合に競り負け、一時は上場廃止の可能性も取りざたされるなど創業以来の危機に陥ってしまう。そんな逆風のなか、2016年には9年ぶりに黒字化を達成した。同社がこのようなV字回復を成し遂げたいくつかの秘訣のひとつが「訪問販売」であるという。

 メガネと訪問販売というと、あまりピンと来ないかもしれないが、もともとは業績不振という危機のなかで、同社が「アイケアカンパニー」への戦略転換を行った経緯がある。アイケアカンパニーとは、たんにメガネを売るだけではなく、眼のケアも行っていこう、そのためには眼の状態や使用目的に合った正しいメガネを使ってもらおうという理念のもと、これを広く社会に呼びかけていこうというものだ。

 そのために、同社の店舗では「トータルアイ検査」として単なる視力検査だけでなく、眼体力検査、眼年齢検査といった他のチェーン店では実施していない充実した検査メニューを2013年からを導入。幅広い「アイケアサービス」を行っている。そしてこういったアイケアがより必要な40歳以上のミドルシニア層以上をターゲッティング。高齢化社会の到来にも対応する新しい「メガネの売り方」として、訪問販売に力を入れ出したのだ。

■訪問販売のコンセプトは「お店ごともって訪問」

「もともとは外商の営業マンが高齢者向け介護施設、福祉施設などに訪問販売として出向いていたんですが、低価格競争が激化し、実店舗での販売を強化する趣旨で一時期こうしたサービスを他社も含め中断していました。しかし、高齢化社会の到来、また細々とこうした訪問販売を続けていた零細メガネ店の廃業といった背景から、これはビジネスチャンスがあるということで会社としてサービスを再開し、本腰を入れて取り組むことにしたのです」と語るのは、同社店舗営業本部リテールサポートグループジェネラルマネジャーの角田浩一氏。

「高齢者施設であったり、病院であったり、『メガネや補聴器が必要だけど店舗には来られない』という方が実は多くいらっしゃいます。そのため、検査機一式など『訪問販売用キット』をもって施設に出張します」(角田氏)。そしてその際のコンセプトとして「お店ごともって訪問しよう」を掲げているそうだ。

 これは店舗に来てもらったのと同じサービスを心掛けているということ。メガネだけではなく、アイケアという観点からオートレフ、レンズメーターといった検査機器に加え、超音波洗浄機なども持参し、メガネのメンテナンスや調整も行ってくれる。幅が広がった、レンズが汚れた、蝶番部分が緩くなったなどの不具合は日常的にメガネに起こるが、こういったものを調整してあげると非常に喜ばれるそうだ。「他店で購入なさったメガネでも、もちろん喜んで調整させていただきます。こうすることで、次は当店での購入につながったりするのです」(角田氏)。

《関口賢/HANJO HANJO編集部》

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