サービス業のIT利用最前線!2 話題の“IoTホテル”が東京進出 画像 サービス業のIT利用最前線!2 話題の“IoTホテル”が東京進出

IT業務効率

「&AND HOSTEL ASAKUSA NORTH」開業に際しては、1号店での利用状況を踏まえ、IoT統制・制御プラットフォーム「&IoT」を改良、連携するIoTデバイスの追加とユーザー体験の進化を実現した。客室(IoTルーム)だけでなく、共有のダイニングラウンジスペースにも、多数のIoTデバイスを設置した。「&IoT」のアプリひとつで、これらの設置デバイスを操作したり、浴室や洗濯機の利用状況を手元で確認できるようにしている。こうした各室に設置されたIoT機器群により、以下のようなIoTサービスが実現した。

1 スマートフォンで客室の鍵を制御
2 客室内のTV、エアコン、空気清浄機などの家電を制御
3 シャワールーム・共有洗濯機の空き状況確認とシャワールームの予約
4 日の出と連動したカーテンの自動開閉などの目覚まし機能
5 快適な入眠状況を作り上げるナイトモード機能
6 客室内の温度/湿度を感知してアラートを上げる

■2号店は観光より体験がテーマ、“ちょっと先のIoTのある暮らし”を提供

「&AND HOSTEL ASAKUSA NORTH」は、「福岡でやってみてわかったことを反映させた」と石田氏は語る。その結果、イベント・周辺施設の情報提供、AR体験といった観光情報より、宿泊施設そのものとしてのニーズに比重が置かれている。「1号店である福岡では、スマートアイグラスやスマート宅配ボックスなど、観光にスポットを当てたIoTデバイスも用意しておりましたが、今回の東京凱旋では、より“ちょっと先のIoTのある暮らし”をテーマに、居室内で必要な体験を重視しました」とのことで、ソニーの電子タグ端末「MESH」、ロビットのカーテン操作機器「mornin'」などを新たに導入した。これらの利用データのフィードバックの仕組みも、福岡より細かく組み込んだ。

 そのほかグラモのネットワーク接続型高機能学習リモコン「iRemocon」、Qrioの小型スマートキー「Qrio Smart Lock」なども含め、各室にIoT機材を導入したが、機材の費用は、総計でも10万円以下だという(アプリケーションの開発費、母体のシステム費、貸し出しする端末費などを除く)。基本的には専用に開発された機器はなく、既存の機器を活用し、さまざまな“快適体験”を実現している。

 個別のサービスで見れば、こうした機能を利用できる宿泊施設はいくつか存在する。しかし、鍵を開閉する、照明を点灯する、エアコンを起動し温度調整する、といったすべての操作を、独自開発の専用アプリ「&IoT」のみで実現しているのが、「&AND HOSTEL」の大きな特徴だ。石田氏によると、ここまで統合的にIoT体験を提供している宿泊施設は、世界的にも類例がなく、オランダ・アムステルダムのIoTホテル「CityHub」ぐらいではないかという。

 ユーザー側は、スマートな体験により、シームレスな近未来のデジタルライフを堪能できる。一方でメーカー側は、IoTデバイスのユーザーデータを集め、マーケティング機能を担う拠点として活用できる。これが、「&AND HOSTEL」の利点だろう。すでに企業やメディアから多くの問い合わせもあり、今後は自社展開だけでなく、「&IoT Platform」を他社に提供していく方針と、石田氏は語る。

 実際にand factoryは、5月開業予定のパセラのカプセルホテル「安心お宿プレミア新橋汐留店」に「&IoT Platform」を提供。「カプセルホテルをスマートカプセルホテル化する取組みは業界でも初」(石田氏)だ。連係機能や導入IoT機器については、利用シーン、施設、体験してもらいたい内容によってチューニングが行われる。「安心お宿プレミア新橋汐留店」では、トイレ、浴場、カフェスペースの混雑状況を把握できるようにカスタマイズを行った。今後は、シェアハウスのようなシェアリングエコノミー業界での利用拡大を予測しているという。

《冨岡晶/HANJO HANJO編集部》

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