事業承継の2017年問題:1  M&A成功のポイントはどこにある? 画像 事業承継の2017年問題:1  M&A成功のポイントはどこにある?

人材

【記事のポイント】
▼2017年は団塊の世代が70歳を迎え、事業承継問題の象徴的な年に
▼上場企業やグローバルビジネスで展開されるM&Aと中小企業が行うM&Aは別物である
▼相談は中小企業専門のコンサルティング会社や専門部署を持つ銀行などに
▼中小の事業承継でのM&Aは、会社の売り買いではなく『結婚』である


【事業承継の2017年問題:1】
日本M&Aセンター大山敬義氏に聞く

■2017年は事業承継のターニングポイント

 中小企業経営者の平均年齢は年々上昇しており、2015年には年齢分布のピークは66歳にまで達している。経営者の高齢化が進む中、多くの中小企業が事業承継か会社消滅かの選択に迫られている。とくに家族経営の会社、一代社長の会社は、子どもに会社を継ぐ意思がない、誰に任せればいいのかわからない、任せられる人がいないといった問題を抱え込むことになる。

「2017年は団塊の世代が70歳を迎え、事業承継問題の象徴的な年になる」と日本M&Aセンター 常務取締役 総合企画本部長 大山敬義氏はいう。企業の世代交代を考えたとき、多くの経営者は65歳くらいには経営からリタイヤしたいと思っているが、実際には中規模企業の平均で67歳。小規模事業者で70歳という統計がある。このような現状において、70歳を過ぎた経営者は、すでに経営から退くタイミングを逸しているといえる。男性の健康寿命は70歳と言われ、平均寿命で80歳だ。あと10年以内に後継者を見つけて会社や事業を引き継がせなければ会社を畳むしかない。残された時間は限られており、高齢になればなるほどさまざまなリスクも増えてくる。

 団塊の世代は、他の年齢層より2倍程度多いといわれているが、それだけ多くの中小企業経営者が直面する事業承継問題は、問題のレベル、人数の規模といった質と量の両面で深刻と言わざるを得ない。

■資本と経営が一体化している中小企業のM&A

「ご存じのとおり、国内企業のほとんどが中小企業です。小規模事業者まで含めると90%を越えるでしょう。このまま経営者の高齢化が進み、事業承継がうまくいかなければ国内企業の半数近くが消滅することになります。雇用や経済に与える影響は無視できないレベルになります。とくに地方においては、新しい会社が増えない状況なので、企業は減る一方です。自治体にとっても深刻な問題です。」

 会社をいかに存続させるか。その解決策のひとつにM&Aがある。M&Aや企業買収というと、あまりいいイメージを抱かないかもしれないが、「上場企業やグローバルビジネスで展開されるM&Aと、中小企業が行うM&Aは別物」と大山氏はいう。

 いちばんのポイントは、中小企業の場合、資本と経営(者)が分離していない点だ。ほとんど中小企業の株主は経営者であり、その経営者が引退しようと思ったら、企業の経営権、オーナー権を誰かに移さなければならない。経営権の譲渡、つまりM&Aとなるわけで、大企業や投資家が行う戦略的なM&Aとは目的も意味も異なる。

 中小企業にとってのM&Aは、企業買収(売買)ではなく、会社を存続させ残される従業員や取引先に対する責任をまっとうするための手法として機能させることができる。

《中尾真二/HANJO HANJO編集部》

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