新橋駅前ビル周辺再開発、輝きを取り戻せるか? 画像 新橋駅前ビル周辺再開発、輝きを取り戻せるか?

インバウンド・地域活性

 東京・新橋駅の東口にある「新橋駅前ビル」を中心とした再開発の検討が本格的に始まった。同ビル管理組合を含む地権者らが再開発準備組合の前身となる「新橋駅東口地区再開発協議会」を立ち上げた。鉄道やバスなどの交通インフラが集積する駅前空間の一体的な開発を目指し、今後、東京都や港区、JR東日本など鉄道事業者を交えた検討・協議に入る。2022年の工事着手を目指し、関係者間の合意形成に取り組む方針だ。
 3月29日に再開発協議会の設立総会を開いた。再開発の検討区域は国道15号(第1京浜)、外堀通り、JR線路に囲まれた三角形のエリアで、区域面積は約1・9ヘクタール(国道15号、外堀通りを除いた計測値)。新橋駅前ビルの区分所有者(約180人)は協議会への加入を既に決議した。他の街区も含めると権利者は約280人に上り、そのうち約7割は協議会に加入しているという。
 新橋駅前ビルは、1966年に都施行の市街地改造事業(再開発事業の前身)で竣工。1号館(東京都港区新橋2の20の15、SRC造地下4階地上9階塔屋3階建て延べ約3万3200平方メートル)と2号館(新橋2の21の1、SRC造地下3階地上9階塔屋3階建て延べ約7200平方メートル)で構成し、駅西口にあるニュー新橋ビルと共に新橋駅周辺のシンボルとして親しまれてきた。
 建物の耐震化の必要性から建て替えの検討を進めていた同ビル管理組合法人が、より広範囲で都市機能の更新が必要と判断し、隣接地の権利者に再開発への参加を呼び掛けた。再開発協議会の加藤功時会長(同ビル管理組合法人副理事長)は「都内各地のターミナル駅周辺で都市開発が活発だ。その中で新橋が取り残されてしまうのではないかとの危機感がある。国際都市・東京の玄関口として、まずは交通体系の再整備が必要だ」と指摘する。
 検討区域内にはバスやタクシーが行き交うロータリーがあり、複数の鉄道路線(JR線、東京メトロ銀座線、都営地下鉄浅草線、新交通ゆりかもめ)も乗り入れる。再開発計画の策定に当たって、加藤会長は「行政や公共交通機関の意向を優先する」との考えを示している。当面は駅周辺の基盤整備に向けた関係者協議に重点的に取り組み、その将来像が固まった段階で再開発準備組合に移行するという道筋を描く。
 協議会にはコンサルタントとしてアール・アイ・エーが参画し、施設計画などを盛り込んだ基本構想の作成を進める。都市再生特区制度の活用も視野に入れており、現時点の検討状況では容積率の上限値を1800%程度まで引き上げることを想定。デベロッパーなど事業協力者は決まっておらず、選定方針を今後検討するとしている。
 既存建物の解体着工の目標時期に据えているのは、日本初の鉄道路線(新橋駅~横浜駅間)の開業150周年に当たる2022年。加藤会長は「(会員の間で)新橋の輝きを取り戻すことが共通の願いだ。2022年に間に合わせることで気持ちは一つになっている」と話す。協議会に未加入の権利者に対し、引き続き再開発の意義を訴えていく考えだ。

新橋駅東口地区再開発(東京都港区)/地権者らの協議会発足/22年に既存解体着工へ

《日刊建設工業新聞》

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