地方の行政官と話がしたい! 北海道天塩町の副町長 画像 地方の行政官と話がしたい! 北海道天塩町の副町長

インバウンド・地域活性

■第1回 北海道天塩町 副町長・齊藤啓輔さん

 地方自治体と中小企業。ふたつを合わせてひとつの共同体というようなくくり方をすることがあります。実はHANJO HANJO も「地域が活性化するためには、中小企業が元気でなければならない」と考えています。ただそのふたつの間には超えがたい壁があったりして、なかなかうまくいかないことも事実。そんななか、ビジネスの活性化を切り口に、地域を目覚めさせている行政の人々がいます。連載「地方の行政官と話がしたい!」では、壁を乗り越え継続的な関係を中小企業と結んだり、新しい産業をおこすことに成功している自治体に焦点をあて、状況をリニューアルするために「行政官」は何を行ったのかについて話を聞きます。

 第1回は、北海道天塩町(てしおちょう)の副町長、齊藤啓輔さんです。齊藤さんの前職は総理官邸で国際広報を担当、その前はロシアとの間で北方領土交渉を担っていた外交官です。2016年に自ら志願して天塩町副町長に着任したという、ちょっと変わった経歴の持ち主です。過疎に苦しむ町に「グローバル」や「シェア」という考えを持ち込むことで、地域が動き始めました。

■官製需要の時代は終わる。必然的に産業も停滞する

ーー齊藤さんの存在を知ったのは最近のことでした。「ラップで自分の地域のPRをやるお役人がいる」という話を聞いて、イベントの動画を見たのが最初です。

齊藤 まず地方には若者はいないという前提があります。高校を卒業したらほとんどが札幌や首都圏に出てしまう。それでは地元の企業も存続が難しくなりますよね。若者に地域をアピールする方法を考えていた時、(協力会社である)ビズリーチさんからラップPRイベント(「地方創生まち自慢大会 聞け!魂の副町長ラップ!!東京の中心で郷土愛を叫ぶ」)を提案され、出てみようと思ったのです。反応はよかったので結果オーライです。

ーー昨年着任されたとき、天塩町の中小企業やそれを取り巻く環境はどんな状況だったのでしょうか?

齊藤 東京とはまったく違いました。首都圏は有効求人倍率も高く、政府の施策も奏功して景気の好循環がありますが、地方にはそれは届いていません。ほとんどが公共事業で成り立っています。建設業を例にとれば、東京だと民需がありますが、地方はほぼ公共の「何か」に頼っています。日常の消耗品にしても役所や団体のため。印刷物やタクシーもそうです。

ーーそんななか、民需をおこすために齊藤さんはなにから手をつけようと考えたのですか?

齊藤 人口3000人の町ですが、なにもないというわけではありません。ビジネスチャンスはあるのに、そこで暮らす住民が気づいていないだけなんです。気づく気すらないようにも感じました。そこでまず初めにやったのは、先導にたって見本ケースをみせることでした。言い換えればマインドセットから始めたのです。

食資源に関するイベントを開催しました。それまで自家消費用だった地元食材が、東京のシェフと組むことで「製品」へと変わり、流通に乗る。そしてイベントで登壇してくれた各界のVIPがPRしてくれる。こういったイベントが町民の意識を変えることにつながったと思います。

ーー意識から行動への変化はあったのでしょうか?

齊藤 ずいぶん変わったという実感はあります。若手の中小企業経営者が実際に会社をたちあげたんです。「官製需要でやっていける時代は終わるよ。人口が減ったら税金も減るし、必然的に産業も停滞する」と私は言い続けてきました。

《加藤陽之/HANJO HANJO編集部》

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