■ニュース深堀り!■融資で不足な資金を調達する活性化ファンド 画像 ■ニュース深堀り!■融資で不足な資金を調達する活性化ファンド

制度・ビジネスチャンス

 地方銀行や信用金庫などがファンドを組んで、地域活性化のために地元の中小企業に資金援助や投資を行う事例が増えている。2016年の例でいえば、京都銀行と京都府城陽市が地域での創業などを促すための取り組みを支援する連携協定を締結。同様に奈良県の南都銀行は、桜井市ほか3つの自治体と協定を結んでいる。

 中小企業が新しい事業を始めるとき、このような取り組みから生まれた“地域活性化ファンド”が資金調達のスキームとして確立しつつあるようだ。では、実際に地域活性化ファンドを利用したいと思ったとき、どのように利用できるのか。そのポイントは、銀行融資との違いはなにか? 事業再生と地域活性化を支援する株式会社地域経済活性化支援機構(REVIC)マネージング・ディレクターの中井一郎さんに話を伺った。

■地域活性化ファンドと銀行融資の違いとは?

――地域を活性化するための施策として、国や自治体の補助金などがある一方で、官民ファンドと呼ばれるような出資支援、資金援助の枠組みもあります。まずは、地域活性化ファンドの概要について教えてください。

中井 自治体や地域の金融機関、企業などが産業活性化や再開発などを目的としたファンドを地域ファンド、地域活性化ファンドなどと呼んでいます。また、一般的な投資ファンドや企業などが特定の地域に対して、特定の地場産業や観光などに投資をする場合も、地域活性化という側面もあるので地域ファンドの機能を果たしている場合もあります。このため、地域ファンド、地域活性化ファンドの組成スキームはファンドごとにさまざまです。

 地域経済活性化支援機構(REVIC)では、地域支援を目的としたファンドを「地域活性化ファンド」事業という名称で展開しています。

――地域活性化ファンドの場合、どのような分野、テーマのものが多いのでしょうか?

中井 地域にとって重要な産業テーマを決めて組成されているものが多いです。観光、ヘルスケア、地域中核企業支援、ベンチャー企業支援といったものがあります。また地域に絞ったファンドもあり、産業を問わず、地域企業の成長支援を目的としているものが多いです。

――地域活性化ファンドによる投資と、銀行などの投融資の違いは何でしょうか。中小企業の経営者には、まだ理解が進んでいないものと思われます。

中井 地域活性化ファンドと銀行融資との違いは、リスクの取り方だと思います。通常の銀行融資の場合は、事業計画も重要ですが、最終的には土地や工場など担保の有無や、それまでの収支実績に対する評価が大きくなります。リスクの高い資金需要には使いにくいでしょう。

 一方、ファンドは融資とは違い、株式出資などを含むリスクが融資よりも高く、リターンの期待も大きい商品です。一定のリスクがあっても投資を行うことが可能なため、企業にとっては融資でカバーできない資金ニーズに応えられるのが特徴だと思います。

 また、ファンドの運営会社には投資や事業支援のプロフェッショナルがいますので、彼らのアドバイスや人的支援も期待できます。その企業にとって新しい事業や分野への挑戦だったとしても、プロの目利きが事業の将来性を見極め、適切なアドバイス、経営指導をしてくれるでしょう。

《中尾真二/HANJO HANJO編集部》

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