【那覇型ビジネス成功の理由:2】バーコードが生む観光サービス 画像 【那覇型ビジネス成功の理由:2】バーコードが生む観光サービス

インバウンド・地域活性

 サービス開始にあたって古田氏は、地元の土産物店や特産品の製造元、メーカーに足で営業をかけ、サービスへの参加を呼びかけた。インバウンドビジネスが盛り上がる中、メーカーでは外国人観光客向けのPRや施策を検討していたという。そこに、情報を登録するだけで多言語展開できるというメリットが評価され、導入は一気に進んでいった。小売店でも外国人観光客への接客に困るケースが増えており、ニーズを共有することができたようだ。

 いまでは全国で400社以上がPaykeのデータベースに情報を提供している。全国展開するメーカーの商品情報も増えているとのことだが、なぜここまでPaykeは成功できたのだろうか? 古田氏はそれを次のように分析する。

「外国人観光客の消費傾向が変わってきたといわれますが、日本製品のこだわりやよい点は必ず伝わります。なにか特別な市場という考え方は必要ありません。ただ、ビジネスプランを考えるときには、日本円より現地通貨で考えることが大切です。過渡期でもあるインバウンドビジネスでは、まだ勝ち組がいません。スタートアップにもチャンスはあります」

■消費傾向の変化に対応するプラットフォームビジネスへ

 Paykeではアプリを利用する観光客に向けては、ほとんどPR活動を行っていない。空港などにチラシを設置する程度で、あとは口コミが基本とのことだ。SNSによる拡散も、あくまでユーザーの口コミベース。それでも、海外の旅行案内サイトや旅行メディアから取材が来ており、外国人の間では着実に認知が進んでいる。

 ただ、Paykeの課題について古田氏に聞いたところ、返ってきた答えは「認知度」だった。

「おかげさまでPaykeは、沖縄では店舗やメーカーに知らない人がいないいくらいに成長しました。福岡や東京、北海道でもサービスを展開していますが、全国レベルではまだ伸びる余地があると思っています」

 Paykeはインバウンドが集まる沖縄だからこそ生まれたもの。ほかの外国人観光客が多い地域においても、そのビジネスは成功の可能性を秘めている。その時に、プラットフォームビジネスとして展開しているPaykeならではの、提供できるサービスの幅の広さが利いてくるだろう。バーコードをマーカーとしたAR的なサービスなどは、海外への展開も可能であり、マーケットデータやコンサルティングなどにビジネスをスケールさせることもできる。

 もちろん同社はその先を見据えているが、まずは国内での認知度を上げ、今の訪日外国人向けサービスを盤石なものにすることに集中している。その先に企業、消費者のエコシステムが構築できれば、ニーズや消費動向の変化にも耐えられるだろう。それは、これからのインバウンドビジネスにおいて有効なアプローチだ。

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《中尾真二/HANJO HANJO編集部》

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