【CHOフォーラム】企業価値向上に向けたCHO構想の実践 画像 【CHOフォーラム】企業価値向上に向けたCHO構想の実践

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 企業・団体が従業員やその家族の健康管理に取り組むことで、彼らの健康満足度を高めるとともに、生産性向上に結び付けようとする“健康経営”が注目されている。その普及を加速させるために、社内に健康管理の責任者を配置し、経営の一環として従業員の健康づくりを進めようというのが、神奈川県の推進する「CHO(健康管理最高責任者)構想」だ。

 これまで県では会議やセミナーを開催するとともに、実際に企業・団体にCHOを配置したうえで、従業員の健康づくりに取り組んでもらうモデル実証事業などを展開してきた。2017年3月13日には、神奈川県の横浜情報文化センターで「CHOフォーラム」を開催。健康経営の現状に関する講演や、導入企業などによるパネルディスカッションを行っている。

■CHO構想を取り巻く状況

 冒頭では神奈川県政策局ヘルスケア・ニューフロンティア推進本部室事業推進担当部長の藤澤恭司氏より、まずは挨拶としてCHO構想について説明があった。県では2014年にCHO構想推進コンソーシアムを設立。健康経営については行政レベルでもさまざまな取り組みが進んでいるという。

「経済産業省が取り組む、東京証券取引所の上場企業から“健康経営銘柄”を選定する制度が始まってから3年目となりました。健康経営優良法人認定制度もスタートしましたし、2017年2月17日の閣議決定では、健康・医療戦略において未病の考え方や取組みの重要性が組み込まれています。県では、こういった取組みを追い風に、今後もCHO構想のより一層の推進を図ってまいります」

■統計データに読み解く、健康経営の必要性

 その後はNPO法人健康経営研究会副理事長の平野治氏より、講演「健康経営による経営上のメリットとその実践方法について」が行われた。

 講演の中では事業者における健康経営の位置づけについて言及された。“従業員の健康を促進する”という考えは、一見すると人事的な側面が強いように思われる。しかし、その目的は業績や企業価値の向上にあると、平野氏は強調した。重要なのは経営戦略としてコストをかけて、この目的を達成すること。「だから、健康経営は厚生労働省ではなく、経済産業省の管轄なんです」と話している。

 講演ではさまざまな統計資料を用いながら、日本における“健康”と“生産性”を取り巻く現状について語られた。大企業1.2万社に対して、従業員10人以下の小規模零細企業は約360万社あり、その70%が赤字であることが法人税収入に影響を与えていること。社会保障給付金がかさむ一方で、労働力人口や健保組合が減っていること。2012年における健康保険組合の過去5年間の累計赤字額が1兆円を超えていること。

 これらの事実から読み解けるのは、中小企業における健康経営の重要性だ。従業員の健康を管理し、生産性を向上させることが、問題を解決する上での重要なカギとなる。

 しかし、経済産業省が全国1万社の中小企業に行った“健康経営を実践する上での課題”についてのアンケート調査では、「何をしたらよいか不明(指標の不足)」(36.9%)、「ノウハウの不足」(33.9%)が上位となり、第一歩を踏み出せない経営者の姿が垣間見える。また、「予算の不足」(14.2%)と「効果・メリットが不明」(10.8%)も、それぞれ4位と5位につけており、中小企業の健康経営に対する“投資”の優先順位はそう高くなさそうだ。

「人材というのは無形資産のため、これまであまり注目を集めてきませんでした。BS(貸借対照表)やPL(損益計算書)といった会計にも組み込まれておらず、今後、人という財産をどうやって内部利益として評価していくかが、健康経営におけるテーマになると考えています」

 それでは、実際に健康経営に取り組むにあたり、事業者は何をすべきなのか? これについては、引き続き行われたパネルディスカッションで登壇した、実際に健康経営に取り組む事業者の事例の中に見ていきたい。

《丸田鉄平/HANJO HANJO編集部》

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