関東9都県の社保未加入対策で施策拡充に進展、未加入元請排除も下請対応に温度差 画像 関東9都県の社保未加入対策で施策拡充に進展、未加入元請排除も下請対応に温度差

人材

 建設産業界を挙げて取り組んでいる技能者の社会保険未加入対策で、目標年限の17年度が間近に迫ってきた。国土交通省が4月から直轄工事で下請業者の加入促進策をさらに強化する中、地方自治体も施策の拡充を図っている。工事については、関東9都県すべてが、未加入の元請を排除する取り組みを実施。コンサルタントでも対応が広がりつつある。
 健康、厚生年金、雇用の3保険の加入促進をめぐっては、産学官による「社会保険未加入対策推進協議会」などで取り組みが進められてきた。17年度までに、事業者単位で建設業許可業者の100%、労働者単位では少なくとも製造業相当の加入率というのが目標だ。関東地方の加入率は、全国平均を下回るものの、上昇基調にはある=グラフ参照。
 国交省は、直轄工事から社会保険未加入の元請業者と1次下請業者を既に排除しており、4月からはさらに、猶予期間を設けながら未加入業者の排除措置を2次以下の下請にまで拡大する。
 東京都は、工事について、17・18年度の資格審査定期受け付けから社会保険加入を資格要件化した。設計などの委託業務についても、来月から財務局契約第一課発注の案件を対象に、希望受け付け時に加入状況を確認する試行を始める。
 埼玉県も対策を強化。17年度以降の入札参加資格名簿への登載で社会保険加入を条件化した。さらに、4月からは未加入の1次下請との契約を原則禁止。違反した場合は入札参加停止や工事成績評定の減点といったペナルティーも設けた。
 栃木県では、県土整備、農政、環境森林の各部と企業局が発注する設計金額1000万円以上の建設工事を対象に、未加入の元請を排除しており、1次下請も加入していることを原則としている。4月からは適用対象を全発注部局の全案件へと拡大する。
 千葉県は15年度から未加入業者の入札参加を認めていない。さらに、今年1月からは未加入の1次下請との契約を原則禁止とした。
 茨城県も、工事について、17・18年度の入札参加資格から加入を条件化。18年4月からは未加入の1次下請との契約を禁じる。建設コンサルタントについても、19・20年度の入札参加資格審査から加入を条件にする。
 そのほかの各県は、これまでの対策を継続。神奈川県は16年度から未加入の元請と1次下請を排除し、未加入の1次下請と契約した元請に対するペナルティーも設けている。
 群馬県は、指名競争入札と条件付き一般競争入札で未加入の元請を排除。さらに、未加入の下請と契約する場合は、次数にかかわらず理由書の提出を求めている。長野県も未加入の元請を排除するとともに、1次下請が未加入の場合には元請を指導している。山梨県も未加入の元請を排除する措置を講じている。
 関東9都県で見ると、未加入の元請の排除は着実に進んでいる一方で、下請への対応には温度差がある。東京都は「中小企業が圧倒的に多いため、下請への対応は、浸透具合を見ながら検討する」(財務局)と慎重な姿勢だ。「すぐに国に追随するのは難しい」(ある自治体担当者)といった声もある。ただし、担い手確保のために社会保険の加入促進が不可欠との認識は一致している。関東地方整備局の多田治樹建政部長は「加入率は随分上昇してきた。この機運を維持しながら、新しいスタートとして今後も加入促進に取り組む」と話している。

関東9都県/社保未加入対策で施策拡充進展/未加入元請排除も下請対応に温度差

《日刊建設工業新聞》

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