ふるさと納税返礼品でのお米、8割増の2.4万トンに。銘柄PRに活用 画像 ふるさと納税返礼品でのお米、8割増の2.4万トンに。銘柄PRに活用

インバウンド・地域活性

 自治体への寄付金税制「ふるさと納税」の返礼品で2016年に提供された米が2万3650トン(玄米換算)と、前年から8割増えたことが農水省の調べで分かった。ブランド米のPRや販路開拓につなげようと、ふるさと納税の仕組みを活用する自治体は1000を超え、都道府県別では山形県が最多となった。米の新たな流通ルートとして広まりつつある。

 同省は、ふるさと納税による米の流通量を調べ、県別の動向もまとめた。最多の山形県は「つや姫」「はえぬき」など1万58トンを供給し、全体の半数近くを占めた。還付を前提に、1万円の寄付に対して10キロ以上の米を提供する市町村が目立ち、「寄付者に返礼品として送る米は前年から50倍以上に増えた」(同県河北町)とする産地もあった。

 県別2位の岡山県は「ヒノヒカリ」など2658トン、3位の北海道は「ゆめぴりか」など1866トンを提供した。500トンを超えたのは9道県となった。

 ふるさと納税制度を通じた米の出回り量が多い産地は、自治体の後押しがある。出荷した農家やJAには、市中相場に応じた代金を支払い、差額は県や市町村が負担する例が目立つ。農家にとっても、収穫前に一定量の販売先を見通せる利点があり、東北のある市町村は「18年以降の米政策改革を見据え、顧客を今からつかんでおきたい」として、産地戦略に組み込む。高級果実やブランド和牛とセットで提供する方法も好評を得ているという。

 ただ、ふるさと納税の伸長が、米消費の全体量を押し上げているわけではなさそうだ。16年産米の生産量(約750万トン)に対して、制度を通じた米は1%未満にとどまるが、大手スーパーは「店頭で重い米を買うことを敬遠する人が、制度を活用している」と指摘する。小売店での精米販売が落ち込む一因にもなっているとの見方もある。

 調査は、ふるさと納税の返礼品などを紹介するウェブサイトで米を掲載している県や市町村を対象に調べた。1765の自治体(県も含む)のうち、取り組んだのは過半の1001で前年より37%増えた。

 ふるさと納税は出身地や応援したい自治体に寄付をすると、住民税などが減額される制度。総務省によると、15年の寄付額実績は前年比4倍強の1653億円と拡大が続いている。

米8割増2.4万トン 銘柄PR販路開拓 産地戦略に活用 ふるさと納税返礼品

《日本農業新聞》

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