ゼネコンの新卒入社の離職率が改善、入社時のミスマッチ防止が奏功 画像 ゼネコンの新卒入社の離職率が改善、入社時のミスマッチ防止が奏功

人材

 ゼネコンの新卒入社の離職率が低下している。日刊建設工業新聞社が33社を対象に実施したアンケートによると、12年度卒の3年以内離職率は、前年度卒に比べ16社が低下、13年度卒は17社が低下した。各社は入社した人材の定着を図るため、「入社時のミスマッチ防止」「教育制度の拡充」などの離職防止策に力を入れている。
 新卒で入社した人のうち3年以内に離職した人の割合を示すのが3年以内離職率。入社後の働きやすさの目安にもなる。調査では、11年度卒、12年度卒、13年度卒の3年以内離職率を尋ねた。11年度卒は回答した30社平均で19・2%、12年度卒は30社平均で16・9%、13年度卒は31社平均で15・2%と年々下がる傾向で、全体として人材の定着が進んでいるとみられる。
 3年以内離職率が10%未満だったのは、11年度卒が6社、12年度卒が7社、13年度卒が8社。3%台で推移している鹿島は「基本的に離職率は低い水準で、想定の範囲内」と回答。3%を切った竹中工務店は「1年間の新社員教育制度(教育寮での全寮制)による同期間の一体感の醸成・理念共有などが影響し、入社3年での離職率は低調に推移している」という。
 一方、3年以内離職率が10%以上だったのは、11年度卒が24社、12年度卒が23社、13年度卒が23社、20%以上だったのは11年度卒が13社、12年度卒が12社、13年度卒が9社、30%以上だったのは11年度卒が4社、12年度卒が5社、13年度卒が1社だった。
 各社とも定着率を上げるためさまざまな対策を講じており、中でも採用時の対策に力を入れる企業が目立つ。
 転勤を敬遠する学生が少なくないため、業務内容に加えて勤務地の確認を徹底する企業もある。「採用時の具体的な説明による雇用のアンマッチの防止」(大成建設)、「採用試験時のミスマッチの防止」(フジタ)、「採用説明の際に若手社員との交流を増やしミスマッチを減らす」(東鉄工業)などの回答があった。
 入社後の研修やフォローを重視する企業も多い。長谷工コーポレーションは、「ネクスター(メンター)、ブラザーシスター(BS)、人事の三位一体となって若手社員の定着を図っている」と回答した。ネクスター活動では一年を通じて定期ミーティングや一対一ヒアリングを実施。BSは日々のフォローと共に四半期に一度のチェックを行っているという。清水建設、三井住友建設は相談窓口の設置やフォロー面談などの対策を講じている。
 配属部署の上司とは別に指導・相談役となる先輩社員が新入社員をサポートする「メンター制度」の導入に前向きな回答も目立つ。「メンター制度の拡充」(戸田建設)、「メンター制の導入を検討」(熊谷組)、「メンター制度の導入を検討」(竹中土木)との回答があった。
 建設業特有の長時間労働を是正する動きも活発化している。「過重労働防止に向けた取り組み」(前田建設)、「トップダウンによる時短運動の促進」(淺沼組)など、職場環境の改善を進める企業も多い。

ゼネコン各社/3年以内離職率が改善、13年度卒は15・2%に/本社調査

《日刊建設工業新聞》

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