伸び盛り企業会議/おもてなし規格認証で向上する生産性とは? 画像 伸び盛り企業会議/おもてなし規格認証で向上する生産性とは?

おもてなし規格認証

■従業員の育成をベースに、おもてなしの質向上に努める

 おもてなし規格認証では認証機関の準備が整い次第、4月から順次金認証や紺認証の認証を行っていく。それに先駆けて、3月6日にはパイロット認証取得者を発表。会場にはその認証取得者と、認証を行った認証機関の各代表者が登壇した。

 パイロット認証取得者のうち2者は金認証を取得している。そのうちの1者が、勝山自動車株式会社が福岡県北九州市で展開する「勝山タクシー」だ。接客やおもてなしの精神に優れたドライバーを、“プレミアムタクシー”のドライバーとして認定。その他にも、陣痛タクシーや地域コミュニティFMといった、地域密着の取り組みを行っている。

 勝山タクシーの認証機関となったOSTi副代表理事の渋谷健氏によると、同機関では今後地域との関係性にフォーカスした認証を行っていくという。その上で認証取得者をPRするメディア戦略も行い、事業成長を促していくとのことだ。

「勝山タクシーは地域とつながる事業者の象徴として認証しました。我々は地域貢献のキーワードは“友達最強”だと考えています。深い関係性を作ることで、それを生産性向上につなげていきたいですね」

 一方、もう1つの金認証取得者は“スローフードカンパニー”を名乗る株式会社セオリーが展開する飲食店「にいがた方舟 新潟駅 CoCoLo 南館店」。県内にある酒蔵の杜氏との関係性を大切に、その酒に込められた想いを表現するようなサービスを提供している。

 同店の認証は一般社団法人ピースキッチン新潟が行った。代表理事の横山裕氏は、同社の地域と食文化を大切にサービスを提供する姿勢、全従業員を一つの家族としてその満足度を大切にする方針が、おもてなし規格認証の理念と共通していたと話す。

「我々は新潟の米と酒を中心とした食文化に注目し、ガストロミーツーリズムなどを通したプロモーションを展開していきます。その上で、認証のポイントは人材にあると考えました。サービスとともに食文化に関する知識を提供できる人材を育て、それを世界に広めることにも認証を活かしていきたいです」

■覆面調査から職人スキルのIT化まで、生産性向上を追及する紺認証取得者

 パイロット認証取得者には、製販一体の事業を展開する事業者も選ばれている。紺認証を取得した株式会社杢目金屋は、金属の色の違いで文様を生み出す伝統技法を活かし、結婚指輪をはじめとしたジュエリーを製造。国内に直営販売店を20店舗展開する。

 生産性向上においては伝統技法をデータ化し、安定したクォリティで提供できる体制を整えた。これにより若者の雇用を確保するほか、全従業員の5%にあたる障害者雇用を実現している。経営計画書にのっとったPDCAは個人単位に落とし込み、顧客の声を取り入れながら、絶え間ない経営の改善に取り組んでいるようだ。

 認証機関の日本CSR協会代表理事の前田浩氏は、これらの取り組みが社会貢献につながっているところが素晴しかったと話す。顧客満足度に配慮した社是についても評価のポイントになったとのことだ。

 一方、レストラン「ダンチキンダン町田店」で紺認証を取得した株式会社キープ・ウィルダイニングでは、覆面調査を取り入れ、客目線でのおもてなしに力を入れているという。業界の常としてパートやアルバイトの雇用が多いが、2か月に1回サービスに優れた人を表彰するなど、人材育成には特に力を入れているようだ。

 同社ではローカルブランディングという方針のもと、町田を中心とした武相エリアに特化して、カフェから居酒屋まで多彩な業態の飲食店を展開している。地場食比率をグループ全体で高め、レトロ建築のリフォームなども手掛けており、こうした地域密着の姿勢が人材募集においても強みになっているようだ。

 おもてなし規格認証はサービス産業の発展の先に、地域経済の活性化を視野に入れた規格。今回のパイロット認証取得者は、その方針が色濃くみられるメンバーとなった。認証機関にはOSTiやピースキッチン新潟のように、事業における地域性を重視するものもある。生産性向上とともに地域貢献をバランスよく行っていくことも、認証の取得に向けての一つの方向性となりそうだ。

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《丸田鉄平/HANJO HANJO編集部》

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