公共工事激減でも建設業が元気なまち(岩手県紫波町) 画像 公共工事激減でも建設業が元気なまち(岩手県紫波町)

インバウンド・地域活性

 2012年にPPP(公的資産活用型)手法で整備されたオガールプラザは、町と民間事業者、銀行等が公民連携体制を構築。関係者間で施設の事業性を精査した上、6年間で累積黒字となる事業計画を作成。金融機関からの融資を取り付け、特別目的会社が施設を建設、公的施設部分を町に売却する手法で建設費用を削減。

 また、2015年PFI手法(BTO方式)で整備された役場新庁舎は、国内最大級の木造3階建て。構造躯体に100%町産木材を活用し、伐採から製材加工をほぼ県内業者でまかなうことで運送コストやCO2排出量を削減。事業は地元企業を主体として設立された特別目的会社(SPC)が請負いました。

 ベースには町が2001年条例を制定、推進した循環型まちづくりがあります。ここから町発注の公共工事は町産の森林資源を活用した木造建築となり、地元建設業はそこで必要とされる工法に対応、技術を磨いてきました。

 オガールプロジェクトで分譲される土地に建設される住宅は、これまで町が取り組んできた循環型まちづくりを集大成したエコハウス。事業では良好な景観と住環境を備えた魅力ある街並みを形成するための景観協定や、町産木材の使用や自然エネルギー等を使用したエネルギー消費やCO2の削減につながる紫波の風土に根差した「紫波型エコハウス基準」に沿った住宅の建設が求められます。現在、紫波型エコハウス建設協同組合には基準を満たす建設工法を習得した13社の建築施工事業者と5社の協力事業者が参加。新たなことに積極的に取り組む意欲的な事業者も増えています。

 オガールプロジェクトは今年4月開所予定の「オガール保育園」の整備により完成を見ます。紫波町はすでに次の重点事業、駅東側の日詰地区で始まった空き家や空き店舗などの遊休不動産を活用した「リノベーションまちづくり」に向いています。この事業でもオガールプロジェクト同様、補助金はできるだけ使わず、民間主導により地域でお金が回る仕組みを目指しています。

 また事業方式はあくまで民間がプロジェクトを興し、行政が支援する民間主導の公民連携が基本。今あるものを活かし、新しい使い方をして街を変えるまちづくり手法で、新たなまちの価値創造を行うことをコンセプトにしています。

 新たな公共が生む価値と可能性がここでも発揮されるか注目されます。

●水津陽子(すいづようこ)
合同会社フォーティR&C代表・地域活性化・まちづくりコンサルタント。地域資源活かした地域ブランドづくりや観光振興など、地域活性化・まちづくりに関する講演、企画コンサルティング、執筆を行う。2014年地方創生法に関連し衆議院経済産業委員会に参考人出席。著書に『日本人だけが知らないニッポンの観光地』(日経BP社)などがある。


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《水津陽子》

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