グッドデザイン賞から考える、中小企業とデザインの緊密な関係 画像 グッドデザイン賞から考える、中小企業とデザインの緊密な関係

制度・ビジネスチャンス

【記事のポイント】
▼デザインとは商品を魅力的にわかりやすく“翻訳”すること
▼コンセプト作りから関わるデザイナーとの協業がヒット商品を生む
▼商品開発のストーリーと融合したデザインに価値がある


■商品の魅力が伝わるデザインとは?

 デザイン性に優れた商品や事業を評価するグッドデザイン賞では、ここ数年、中小企業が開発した商品が数多く出展され、審査員から高い評価を受けている。脱・下請けや事業拡大のために近年では自社ブランドを開発する中小企業が増えているが、その成功にはデザイン力が不可欠なものといえるだろう。

 アートディレクターでデザイナーの小関隆一氏は、同賞において中小企業とのコラボでよく知られる人物。13年度に受賞の太洋塗料の水性塗料「マスキングカラー」、翌14年度受賞の武州工業による知育玩具「パイプグラム」は、ともに小関氏がデザインを手がけている。

 そんな小関氏にとってデザインとは何か? その答えとして返ってきたのが「翻訳」だった。例えば、マスキングカラーは太洋塗料の主力商品であった、業務用の”塗ってはがせる塗料”を一般向けに開発した商品。赤や青、緑など多彩なカラーラインアップを用意し、壁や窓などさまざまな場所にマーカーのように塗って、それが乾くとはがすことができる。ロフトや東急ハンズといった有力な量販店をはじめ、海外へも販路が広がっているヒット商品だ。

 塗料は缶入りのものをハケにつけて使うのが普通だが、マスキングカラーは対象が一般向けということで、道具要らずの片手で直接塗れるマーカーペンのような容器とした。ロゴマークは塗料を剥がせることをイメージしたデザインに。商品名も塗ってはがせるマスキングテープから連想し、「マスキングカラー」とネーミングしている。

 ボトルの形状やロゴのデザイン、ネーミングといったプロダクトデザイン全体を通じて、誰でも「手に取ってキャップを外してマーカーペンのように塗るもの」だとすぐにイメージしやすくなる。この分かりやすさが、小関氏の“翻訳”という表現だ。

■デザインを通して商品の物語を伝える

 照明機器を手掛けるアンビエンテックは2012年、コードレスランプ「Bottled/ボトルド」発表した。これは、同社のバッテリとLEDを組み合わせた小型照明だが、その商品提案を行ったのが、他ならぬ小関氏だ。

《加藤宏之/HANJO HANJO編集部》

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