建設コンサル各社で離職率低下、ワークライフバランスの広がりが決め手 画像 建設コンサル各社で離職率低下、ワークライフバランスの広がりが決め手

人材

 建設コンサルタント各社でワークライフバランス(WLB=仕事と家庭の調和)の実現に向けた各種制度の運用が広がり始めた。日刊建設工業新聞社が行った「採用・人材戦略に関するアンケート」によると、主要14社のすべてで今年中に女性が出産・育児を経て復帰しやすい複数の制度の運用が始まる。地域限定の働き方に加え、勤務時間や職種を限定した働き方を選択できる制度も拡大。独自制度の運用を開始する企業も多い。
 働き方改革で各社が最も力を入れるのは、女性が働きやすい環境づくり。昨年4月に女性活躍推進法が施行されたのを背景に取り組みに拍車が掛かっている。
 日本工営は昨年10月、建設コンサル業界で初めて託児所を本社ビルに設置した。パシフィックコンサルタンツは「育児・介護のための午前4分の1休暇」「慣らし保育に対応した慣らし勤務」「仕事と子育て・介護の両立相談窓口の設置」を相次ぎ実施。オリエンタルコンサルタンツは「各支店に相談窓口」を開設した。
 日水コンは育児のために一時的に雇用形態を切り替られる制度の運用を始めた。パスコは「深夜業務の制限」、国際航業は「時差勤務」や「ベビーシッター補助」を開始。八千代エンジニヤリングは「保育所への補助」の実施を検討中。在宅勤務制度は日本工営、建設技術研究所などが運用中で、長大や応用地質、国際航業も導入を検討している。
 このほか短時間勤務や育児休暇などを併用している企業も多い。
 離職率低下に向け多様な働き方を認める制度の運用も進んでいる。その一つが勤務地を選択できる制度で、主要14社のうち10社が導入済み。17年度からパスコなどが導入する予定で、ほぼ全社で制度運用が始まる。大日本コンサルタントは併せて「配偶者の転勤を考慮した勤務地選択制度」の導入を検討中だ。
 勤務地限定だけにとどまらず、働く時間帯や職種を限定する社員制度の導入も広がり始めた。建設技術研究所(15年7月運用開始)に加え、オリエンタルコンサルタンツ、大日本コンサルタントが導入した。
 新しい働き方となる「サテライトオフィス」は、日本工営が試行に着手し、パシフィックコンサルタンツも実施に向け検討を進めている。テレワーク(アジア航測)や、フレックスタイム(パシフィックコンサルタンツ〈検討中〉、パスコ、オオバ)の運用も進む。
 長時間労働の解消に向け、各社が進めてきた「ノー残業デーの実施」に加えて、「定時退社日の強化」(パスコ)、「東京オフィスでの出社時間選択制度」と「リフレッシュ休暇制度」(パシフィックコンサルタンツ)、「日・祝日の出社禁止」(国際航業)、「夏季の朝型勤務制度」(建設技術研究所)の導入も進む。
 パシフィックコンサルタンツと大日本コンサルタントは政府と経済界が推奨している毎月月末の金曜日の終業時刻を繰り上げて社員が自由な時間を確保できるようにする国民運動「プレミアムフライデー」の取り組みを開始する検討に着手した。エイト日本技術開発は「アニバーサリー休暇制度」を試行中。応用地質は「早出・早帰り制度」を検討している。長大は「長時間労働解消・行動計画」を策定する。

建設コンサル各社/離職率低下、人材確保へ働き方改革加速/独自制度の運用広がる

《日刊建設工業新聞》

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