イチゴの長距離船便に対応するパッケージ、鮮度保ち輸出拡大へ弾み! 画像 イチゴの長距離船便に対応するパッケージ、鮮度保ち輸出拡大へ弾み!

海外進出

 農研機構・九州沖縄農業研究センターは、船便による長距離輸送でもイチゴの鮮度が維持できるパッケージ方法を開発した。既存のイチゴ専用容器に、青果物の鮮度保持で使う包装資材を組み合わせた。開発したパッケージ方法は、輸送日数がかかる船便でも、冷蔵コンテナで対応できることを実証した。香港やシンガポールへのイチゴ輸出には航空便が使われている。船便の輸送費は、航空便の3分の1から10分の1と安価。輸送費が大幅に削減でき、船便でのイチゴ輸出の拡大が期待できる。

イチゴのパッケージは、平詰めトレーと呼ばれる皿形の器に果実を詰め、フィルムを張って簡単なふたをするのが一般的。輸送中にイチゴと容器がぶつかるなどで傷がつきやすかった。輸出にも同じ容器を使い、果実の損傷を抑え鮮度を保持するため、航空便が使われている。

 航空便では出荷してから東南アジアの相手国・地域に着くのが翌日、または、翌々日。船便でシンガポールに届けるには船に載っている期間だけで12日、店頭に並ぶまでに17日かかる。

 輸送中の劣化を防ぐため、近年はイチゴ専用の容器も開発されている。さらに青果用の鮮度保持フィルムも開発されている。同センターは、イチゴを市販の専用容器に入れてから鮮度保持フィルムの袋で包む鮮度保持効果が高いパッケージ方法を検討した。

 パッケージは2種類のイチゴ専用容器と青果物の鮮度保持用フィルム「P―プラス」の袋を使用。専用容器は「フルテクター」の商品名で販売されているトレーで、イチゴの形に合わせたくぼみがあり、載せたイチゴを伸縮性のフィルムで上から動かないように押さえる。もう一つは「ゆりかーごCタイプ」という商品。イチゴを1個ずつフィルムで包み込むようにしている。

 実験では、イチゴを専用容器に入れてから鮮度保持袋に入れ、福岡からシンガポールへ船便で輸出し、果実の損傷程度を調べた。新たなパッケージ方法では、普通の平詰めトレーで船便を使った果実に比べ、損傷程度は約70%低減した。平詰めトレーで航空便を使った場合と比べても損傷程度は60%以上低減され、航空便より傷みが抑えられた。店頭に着いてからの棚持ちも良かった。

 船便の輸送費は、航空便の3分の1から10分の1。コンテナで一度に運べる輸送量が多く、他の輸出品との混載もできる。専用トレーと鮮度保持袋の費用はかかるが、輸送費の大幅削減で、イチゴの輸出を「大きく拡大できる可能性がある」と同センターは話す。

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イチゴ 長距離船便に対応 鮮度保つ新包装 輸出拡大へ弾み 農研機構

《日本農業新聞》

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