求ム!若い発想、農山村ビジネスプランコンテストが盛況!! 画像 求ム!若い発想、農山村ビジネスプランコンテストが盛況!!

インバウンド・地域活性

 優れたアイデアで過疎地の課題解決につなげようと、農山村の自治体などで「ビジネスプランコンテスト」の開催が相次いでいる。人口減や商店の撤退といった課題を解決する人材を、外部から誘致する手法の一つとして定着しつつある。農産物の生産から販売までを担う6次産業化や、販路開拓などに若い世代の発想を取り入れる地域も出てきた。
母の味6次化 熊本県山都町移住者・岩田さん
 棚田が広がる熊本県山都町の島木集落で1月、移住者の岩田理恵さん(39)と地元の女性農業者ら14人が、加工グループ「ひまわり工房」を立ち上げた。活動はこれまで停滞気味だったが、岩田さんの提案が実ったことで昨年秋から本格化。町内産の農産物を使った総菜を新しいパッケージに入れ、都会のフェアで売り込む。

 きっかけは昨年、県のビジネスプランコンテストに岩田さんの夫、陽一さん(35)が応募したこと。コンテストは、同町を含む4市町村の提案に対し、県が起業準備金を贈呈するもので、岩田さんは最優秀賞を獲得した。コンテストで得た賞金30万円を元手に農産加工に力を入れ、夫妻は人脈を生かし販路を広げている。

 伝えたいのは、地元のお母さんの技や味だ。同町で作るこんにゃくは、大豆殻の灰を使って凝固させる昔ながらの手法を守っている。理恵さんは先人の技を知ったことで「集落には子どもに残したい技や味、食材がある」と確信。陽一さんも「入賞で加工グループを本格的に始動することができた。同世代の若者が帰りやすくなるような集落にしたい」と夢を描く。

 工房代表で農家の高森利津子さん(77)は「私たちだけでは営業やパソコン操作はできない。若い人のおかげで前向きに頑張れる」と評価する。
秋田や高知、市町村も
 こうしたコンテストは近年、各地で相次いでいる。秋田県では2015年度から移住政策の一環として、地域に根差した起業家「土着ベンチャー」を育成するコンテストを始めた。移住者に地域を元気にするための起業案を募り、将来性などを審査。受賞すれば、賞金を贈って、その後の活動をサポートする仕組みだ。県では「コンテストは、チャレンジャーを求めているというPRになる」(人口問題対策課)とみる。

 高知県も今年から「高知家ビジネスプランコンテスト」を開き、優勝者には計画の実現まで一貫して支援する。県産学官民連携センターは「新しい発想を持つ人をキャッチできる貴重な機会」と期待する。

 市町村段階でも開催が相次ぐ。静岡県小山町も10~30代を対象にした、定住・移住推進事業のビジネスプランコンテストを実施。長崎県佐世保市でも「移住促進ビジネスプランコンテスト」を展開している。
厳しい採算性 強い「志」必要
 課題もある。ある地方創生に関する自治体コンテストに応募した30代の若者は「賞金はもらったが、まだ実現できていない。提案の中身は良かったと思うが、机上の空論だったかも」と振り返る。移住先の住民に理解されなかったり、提案を具現化するための顧客が付かなかったりなどで結局、頓挫したという。

 高知大学地域協働学部の須藤順講師は「地域の課題解決につながる事業は、そもそも採算性が厳しい。実行段階で計画通りにいかない場合が多い」と分析。その上で「なぜそのアイデアをこの地域で実現したいのか、提案者側に強い志がなければくじけてしまう。本気度を地域がきちんと見極めることが大切だ」と指摘する。(尾原浩子)

求ム!!若い発想 農山村の課題解決に ビジネスプランコンテストが盛況

《日本農業新聞》

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