コミュニティーナース活躍、看護師の収益面も含めた事業モデルになるか? 画像 コミュニティーナース活躍、看護師の収益面も含めた事業モデルになるか?

インバウンド・地域活性

 看護師の資格を持つ人が、地域の自治会や住民の活動に積極的に関わって地域振興に取り組む「コミュニティーナース」と呼ばれる取り組みが広がり始めた。看護師が住民同士の交流の場をつくったり健康相談に応じたりして、高齢者ら地域住民の生きがいづくりや病気予防などにつなげる。京都府綾部市では今年4月から看護師を地域おこし協力隊として受け入れる他、島根県雲南市でも取り組みが進む。

 コミュニティーナースの育成は、IT事業を柱とするボノ(東京都文京区)が手掛ける。同社は病院の看護師採用に関わる中で、資格があっても出産や育児などで離職する人が多いことが課題として、コミュニティーナースの事業に乗り出した。綾部市では、看護師の収益面も含めた事業モデルを検証。2025年までに全国100地域での活動を目指す。

 同市の山間地にある奥上林地区。雪が積もった1月末の午前、宿泊施設「あやべ山の家」に高齢者ら地域住民約20人が訪れた。施設は「むらの保健室」に様変わり。看護師に健康や生活のことを気軽に相談したり、血圧を測ったりできる「なんでも相談室」や「からだを動かすコーナー」、参加者がお茶を飲みながら地域自慢をし合う部屋もある。

 この日はコミュニティーナースの研修会を兼ねて全国から看護師20人ほどが参加し、住民と交流した。奥上林地区の他、西八田地区でも住民交流の場を設けた。

 農家の酒井聖義さん(89)は看護師と共に手や足を動かして体操し、米作りの自慢や苦労話も披露した。「引きこもらずに、人が集まる所に出掛けてたくさん話すと老化防止になる」と笑顔を見せる。

 参加した看護師の小林朋子さん(33)は「病院での医療とは違い、高齢化や子育て世代の課題など、地域それぞれの特性をつかんで対応できる」とやりがいを見いだす。

 市は集落の高齢化など課題を抱える中で、コミュニティーナースの受け入れに積極的で、「住みたくなる綾部留学プロジェクト事業」の一環で4月から看護師3人を地域おこし協力隊として受け入れる計画だ。

 最も近い病院でも20キロ以上離れている奥上林地区。自治会連合会の熊内久志会長は、看護師による地域づくりや健康増進活動に期待する。「市や地域ボランティアとも調和して一緒に活動していきたい」と話す。
祭りや神楽継承活動も 島根県雲南市
 島根県雲南市では既に、コミュニティーナースが活躍している。矢田明子さん(36)は訪問看護ステーションに勤務しながら、7、8人の仲間と共に地域の祭りや神楽など文化の継承に関わり、健康相談の場も設け、3年間活動してきた。矢田さんは「普段から地域振興に関わっていると、住民と信頼関係ができて、気軽に健康相談もしやすくなる。体調の変化に早く気付くことで、医療費も抑えられる」と、地域住民の健康と幸福度を向上させることを目指す。

 厚生労働省によると、出産や育児などを理由に看護師として働いていない人は推計で約71万人。矢田さんは「コミュニティーナースは看護師としての経験が長くなくても、子育て中でもできる」とプロジェクトの広がりに期待する。 (隅内曜子)

コミュニティーナース活躍 看護師資格生かし 住民に健康 地域に元気 「協力隊」で移住へ 京都府綾部市

《日本農業新聞》

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