~越境ECを地方から:2~相手国を知る/ユーザー目線でわかりやすく 画像 ~越境ECを地方から:2~相手国を知る/ユーザー目線でわかりやすく

海外進出

【記事のポイント】
▼特定イベントのプレゼント需要など、タイミングを見たPRが必要
▼サイズ選択のタブなど使いやすいサイト設計で、ユーザーの購買を促す
▼BPAフリーなど、各国の消費者保護制度を踏まえた商品説明を行う


■欧米ユーザーが使い慣れたプラットフォームで事業開始

 現地に店舗を開くよりも手軽に外国人向けの商売ができるものとして、越境ECが注目を集めている。参入の手間やコストを抑えられることから、中小企業でも参入が相次いでいるようだ。

 アマゾンやアリババなどのECプラットフォームに出店する企業が多い中、独自に多言語ECサイトを構築し、成功しているベンチャー企業がある。京都市内を東西に走る六角通り沿いに店舗を構える弁当箱専門ショップ「Bento&co」を運営する株式会社ベルトランだ。弁当箱や箸、巾着袋のほか、水筒、調理器具、日本の加工食品など約1000点を世界97ヵ国に販売している。

 弁当箱専門店という業態を考案するきっかけとなったのは、代表のベルトラン・トマ氏の母国フランスで話題となっていた弁当レシピ。当時フランスでは弁当箱がほとんど存在しなかったため、京都大学への留学を経て日本を愛し、日本の文化や良いものを発信したいと考えていた同氏は、日本の弁当箱をフランスに輸入する事業を思いつく。

 2008年にはカナダ発の無料ECプラットフォーム「Shopify」を使い、ネット上で販売を開始。Shopifyを選んだのは、欧米で広く使われており、デザイン面・使い方において自身も含めフランス人ユーザーが慣れていたこと。そして、無料で始められたことが主な理由だ(現在は料金体系が異なる)。ビジネスが軌道にのってきた2010年には独自で英語サイトを、翌年には日本語サイトも開設し、利用者はアメリカやオーストラリアなど世界各国に広がった。

 現在、同社の越境ECにおける集客は、フランス語と英語のサイトがそれぞれ45%、残る10%が日本語サイト経由となる。中でも英語サイトからの注文は、年々増えているそうだ。2012年には京都に実店舗もオープンし、国内外の観光客から人気を集めている。

■各国の事情に合わせたメール・SNS戦略を駆使

 ここまで同社が海外からの利用者を集められた背景には、ベルトラン氏が以前から利用していたSNSの存在も大きい。

「留学時代から日本を紹介するブログを書いていて、その読者数が1日約800人ほど、フォロワーは数千人いました。まず彼らが購入してくれ、そこから口コミで広がりました」

 平行してフランス、アメリカ、オーストラリア、シンガポールなど主要国の料理ブロガーにコンタクトを取ってきた。特に、弁当レシピに強いブロガーを探し、そのブログ内で紹介してもらったり、Facebookやツイッターで情報発信してもらうなどの努力を重ねている。

 当時は各国でフードネットワークやトップシェフなど料理番組が人気を博し、世界的にもヘルシー志向も定着していた頃で、キャラ弁を筆頭に日本の弁当文化が注目を浴びていたタイミングでもあった。なお、現在の傾向としては「SNSのなかでもインスタグラムが主流となってきている」そうだ。

「料理番組が盛んな国では料理への関心が高い人が多く、健康への意識も高い場合が多い。そういう国でよく売れています」

 また、同社では顧客向けに月に2~3回、各国事情に合わせたレターメールを送っている。例えば、フランスでは学校給食があり、弁当箱の利用者は子どもではなく大学生や社会人がメイン。クリスマスプレゼントとして購入されることが多いため、最も売れるのは11月から12月だそうだ。一方、アメリカやオーストラリア、ベルギーでは子どもは学校にランチを持参するため、新学期が始まる8月によく売れる。これらのタイミングでプロモーションを展開し、販促につなげているという。

 また話題作りの一環として、有名ブランドとのコラボレーションも積極的に行っている。フランスの有名パティスリー「ピエール・エルメ・パリ」とのコラボ弁当箱は、業界でも注目を浴び、フランス語版、英語版ともにサイトの売れ筋商品のひとつとなっている。

《尾崎美鈴/HANJO HANJO編集部》

編集部おすすめの記事

特集

海外進出 アクセスランキング

  1. インド高速鉄道建設、JR東グループ中心に事業参画へ!

    インド高速鉄道建設、JR東グループ中心に事業参画へ!

  2. ~日本式介護の輸出:1~有望国は中国! タイ、マレーシアも注目

    ~日本式介護の輸出:1~有望国は中国! タイ、マレーシアも注目

  3. マレーシアの今昔~めざましい経済成長とジレンマ~

    マレーシアの今昔~めざましい経済成長とジレンマ~

  4. 東急建設がバングラデシュ初となる都市高速鉄道、請負額80億円

  5. 【養殖モノを海外で売る!:1】ホタテの次に来そうな魚介類は?

  6. 落石事故から半年…東南アジア最高峰・キナバル山の登山道が再開

  7. 都内中小企業のアジア進出を強力支援、都中小企業振興公社初の海外拠点設立

  8. 日本で働きたいアジアの大学生のマッチングイベントがインドネシアで開催

  9. 【回転窓】芸術の都に平穏を

  10. 外国人に人気の日本食はラーメンではなく…鮮度で売れる食材は?

アクセスランキングをもっと見る

page top