技能労働者の若年層減少に歯止め、16年は29歳以下が1.4万人増。処遇改善策が奏功 画像 技能労働者の若年層減少に歯止め、16年は29歳以下が1.4万人増。処遇改善策が奏功

人材

 建設業に従事する技能労働者数のうち29歳以下の若年層が昨年、37・1万人と前の年と比べて1・4万人増えたことが、総務省が1月31日に発表した労働力調査で明らかになった。技能労働者の総数は326万人と前年よりも5万人減る中で若年層が増加。公共工事設計労務単価の引き上げや社会保険未加入対策など、若い世代が入職条件にする賃金や雇用の安定に関する取り組みが奏功したとみられる。
 総務省が毎月発表している労働力調査のデータを、国土交通省が建設業に特化して独自に分析。昨年12月の調査結果が発表されたのを受け、年平均の推移をまとめた。
 技術者や事務系を含めた建設業就業者数は492万人と前年よりも8万人減った。このうち55歳以上の割合が33・9%と横ばいで推移する一方、29歳以下の割合が前年を0・6ポイント上回る11・4%となり、建設業就業者の高齢化傾向に歯止めが掛かっている。
 技能労働者数のピークは1997年の455万人。それ以降、減り続けていたが、2010年の331万人を底に微増で推移。だが15年に再び331万人となり、16年は326万人に減少した。29歳以下を見ると、14年が36・4万人、15年が35・7万人と減少傾向だったが、16年は37・1万人と増加に転じた。これまでの入職促進策が浸透してきた影響とみられる。
 改正公共工事品質確保促進法(公共工事品確法)には、将来にわたる公共工事の品質確保とその担い手の中長期的な確保・育成が基本理念として明記されている。国交省は13年4月以降4回にわたって公共工事設計労務単価を引き上げたり、社会保険に未加入の1次下請企業を直轄工事から排除したりするなど、賃金や雇用の安定に関する取り組みを展開。週休2日モデル工事の拡大、教育訓練の充実など、技能労働者の入職を促進する取り組みも進めてきた。
 石井啓一国交相は1月31日の参院予算委員会で、「建設業への若年者の入職者数は近年回復傾向にあり、今後も技能労働者の確保・育成にしっかりと取り組んでいく」と表明した。
 民間が発注する工事についても「公共工事と同様に、受発注者間や元請下請間の請負契約の適正化を図ることが重要」との認識を示した上で、「10年先の将来も建設産業が生産性を高めながら現場力を維持できるよう、昨年10月に設置した建設産業政策会議で、民間工事を含めた技能労働者の処遇改善策についても議論を深めていく」との考えを示した。

技能労働者、若年層減少に歯止め/29歳以下、16年は1・4万人増/処遇改善策奏功

《日刊建設工業新聞》

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