朝ドラ「べっぴんさん」に見る、うまくいく “両輪経営” 画像 朝ドラ「べっぴんさん」に見る、うまくいく “両輪経営”

制度・ビジネスチャンス

 一方、戦争が終わり従軍していた夫たちが一人、また一人と帰ってくる。やがて、すみれの夫・紀夫(永山絢斗)も戻ってくるのだが、彼ら男グループが登場するようになると、経営モノとして俄然、面白くなってくる。

 経営のことがまったくわからないすみれ達を見かねた紀夫は、キアリスの経理職として入社し、やがて社長となるのだが、学生時代の感覚で働くすみれたちを見て、このままではいけないと思う。

 そして、朝の朝礼をしたり、お互いを苗字で呼び合うように決めて、ちゃんとした会社としてキアリスを経営していこうとするのだが、その結果、会社の雰囲気は悪くなってしまう。やがて、店員同士の他愛のない雑談やお店を訪ねてくるお客さんとのやりとりから様々なアイデアが生まれると気付いた紀夫は、キアリスはこのままでいいと、考えを改める。

 クリエイティブな発想は女たちから、経理や営業等の大人の付き合いは男たちが担うという両輪でキアリスは回っていくのだが、この辺りの描き方は、実にフェアである。

 すみれにも紀夫にも長所と短所があることをしっかりと描いていて、どちらか一方ではお店は成立しないということが、ちゃんと伝わってくる。

 現在は昭和30年代に入り、すみれの子ども達が成長した姿が描かれている。戦後のベビーブームに乗って経営が軌道にのり、事業を拡張してきたキアリス。しかし一方で、すみれは思春期を迎えた娘のさくら(井頭愛海)の気持ちがわからずに、すれ違いが起きていた。やがて、夜のナイトクラブに出入りするようになったさくらをすみれが激しく叱ったことで、さくらは家出をしてしまう。

 母と娘の確執と和解もまた、朝ドラの重要なモチーフだが、果たして本作はどのように決着をつけるか? 変わりゆく時代の中で、すみれたちキアリスの面々がどのように成長していくのか、目が離せない。

■『連続テレビ小説 べっぴんさん』/NHK
[総合](月~土)午前8時~8時15分ほか


★成馬零一(なりまれいいち)
1976年生まれ。ライター、ドラマ評論家。WEBマガジン「ich」(イッヒ)主催。主な著作に『キャラクタードラマの誕生:テレビドラマを更新する6人の評論家』(河出書房新社)がある。
https://twitter.com/nariyamada
https://note.mu/narima01


width=


★毎週月曜発行★
編集部オススメ記事をピックアップ!
HANJO HANJO メールマガジン登録はこちら
《成馬零一/ドラマ評論家》

編集部おすすめの記事

特集

制度・ビジネスチャンス アクセスランキング

  1. 「SDGs」「サステナブル経営」をもっとよく知るために

    「SDGs」「サステナブル経営」をもっとよく知るために

  2. 筑波大学の産学連携、「世界初」の取り組みに注目!

    筑波大学の産学連携、「世界初」の取り組みに注目!

  3. 主要ゼネコン26社/17年3月期決算/最高益更新相次ぐ、全社が増収見込む

    主要ゼネコン26社/17年3月期決算/最高益更新相次ぐ、全社が増収見込む

  4. 若者の米離れ、週1回以上は21%、「食べない」は何%?

  5. 新しい「霞が関の顔」、官僚人事でサプライズは?

  6. 環七地下広域調節池の石神井川区間を工事。集中豪雨にも効果を発揮!

  7. ~健康経営が生む新ビジネス:3~オフィス訪問の野菜販売が好調!

  8. 日清食品が滋賀県栗東市に新工場、50%以上の省人化でコスト削減

  9. どうなる?環状第2号線/豊洲移転・築地再開発への疑問やまず

  10. 学生服のトンボ、「スマホ預かりバッグ」を販売開始

アクセスランキングをもっと見る

page top