九州ワイン人気上昇! 遊休農地を活用。特区を活用! 画像 九州ワイン人気上昇! 遊休農地を活用。特区を活用!

インバウンド・地域活性

 国産ブドウを100%使った日本ワインブームが追い風となり、九州管内で造られたワインの人気が高まっている。後発産地だったが、ワイナリーが醸造技術を高め、需要を取り込んだ。原料のブドウは中山間地の遊休農地でも生産できるため、有望な6次産業化商品として産地は期待する。

 年間約8種類のワインを醸造する熊本ワイン(熊本市)は2016年、「国産ワインコンクール」の国内改良等品種赤部門で「マスカット・ベーリーA樽熟成2014年」が九州初の金賞を獲得した。赤、白、ロゼワインなど年間約15万本(1本720ミリリットル)を九州、首都圏の百貨店などに出荷する。中でも熊本県山鹿市菊鹿町で契約栽培された「菊鹿ワインシリーズ」は人気で、需要に対して供給が追い付かない状況だという。

 同社製造部の西村篤係長は「ワインは果実の品質が8割影響する。栽培増と樹齢が重なり、特色あるブドウが確保できるようになった」と強調する。毎年酵母菌を変えるなど醸造技術を高める。需要増をにらみ、18年度には同町に新工場を設立予定だ。

 年間約100トンに及ぶ原料ブドウは県内を中心に調達する。人気商品「菊鹿ワイン」の原料を供給するのはJA鹿本の管内の菊鹿町葡萄(ぶどう)生産振興会。当初は4戸で始めたワイン用ブドウ栽培は約15年で31戸に増えた。土地条件の厳しい中山間地で定着させ、稲作や栗などと兼業することで収益性を上げている。

 栽培品種は白ワイン用の「シャルドネ」や赤ワイン用の「カベルネ・ソービニオン」、「マスカットベリーA」が中心。収量を上げ、品質を高めるため、早めの防除やマルチを掛けるなど栽培技術の向上を心掛ける。新工場の完成を受け、同市によると作付面積は18年度までに現在の15%増、11ヘクタールに達する見込みだ。

 人気の高まりを受け、九州各地で増産を目指す動きは広がっている。宮崎県の都農ワイナリー(都農町)は地元の遊休農地に着目。地元農家と連携しながら地場産ブドウを使った商品開発を進める予定だ。

 福岡県北九州市は16年10月に「ワイン特区」として国家戦略特区の認定を受けた。酒税法では通常、一定量の製造量がないと醸造が認められないが、特例的に法律の基準より少ない量でも製造できるようになった。

 同市は「特区を活用して農業の6次化や新たな地域ブランドをつくり、観光振興を目指したい」と説明する。国税庁によるとワインを醸造場は九州で16カ所に上る。

 国産ワインの普及に力を入れる日本ワイナリ―協会は九州産について「使用するワイン用ブドウの品質も安定している。今後も需要増が期待できる」とみる。

九州ワイン人気上昇 ワイナリー農家と連携 遊休農地を活用 国産ブーム追い風

《日本農業新聞》

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