大手コンサルが国内市場開拓に本腰、技術開発費増額や部門新設など 画像 大手コンサルが国内市場開拓に本腰、技術開発費増額や部門新設など

制度・ビジネスチャンス

 大手建設コンサルタント各社が、国内市場開拓に一段と力を入れている。注力分野は地域創生、インフラマネジメント・発注者支援、エネルギー、まちづくりなど多様。事業部門の新設や既存部門の改組など本腰を入れる企業も少なくない。各社は市場を切り開くための技術開発の強化、研究開発費の増額でもしのぎを削る。
 「受注を切り開くには革新技術が必要だ。多様な分野でメーカーなどが参入する中では武器を持たないと勝てない」
 昨年10月に「技術研究センター」を新設したパシフィックコンサルタンツの高木茂知社長は今年の重点分野の一つに技術開発を掲げる。技術研究センターは各分野の技術理事が集まり、今後の技術開発戦略を考える。同社は開発予算を前期の倍に増やした。
 東日本大震災の被災地復興や2020年東京五輪に向けた関連インフラ整備、首都圏で活発化する再開発などの対応に追われる建設業に対して、コンサルの本業である調査・設計業務の新設案件の発注量はピークを過ぎており、各社は市場開拓を急いでいる。
 業界トップの日本工営も、研究開発投資を前期の5億円から10億円へと倍増させた。有元龍一社長は「専門チームをつくり、開発とモニタリングを強化する」とIoT(モノのインターネット)など最新技術を活用した業務の効率化やサービスの向上に役立つ技術開発を加速し、他社に一歩先んじる狙いだ。
 4月に「CM・施工管理部門」を新設するのは建設技術研究所。村田和夫社長は「財政状況が厳しく、技術系職員が不足する地方自治体を中心に、将来的に発注者支援業務が増える」とみて、対応能力を拡充する。日水コンは「官に代わる」を掲げ、その実行役を担う「建設マネジメント室」を新設した。野村喜一社長は「上下水道運営管理や建設事業への包括的参入を狙い、計画・設計から事業全体へと業務領域を広げる」。
 「今のキーワードはグローバル、地域創生だ」と強調するのは大日本コンサルタントの新井伸博社長。地域創生では「自治体に社員が入り込んで、新たな企画を提案し、地域を活性化させる」(新井社長)。専門会社と組み、今年は再生可能エネルギーを活用したまちづくりの展開を目指す。
 地域創生事業を入り口に本業の受注開拓を急ぐのはACKグループも同じ。野崎秀則社長は防災やインフラ保全・運営管理、再生可能エネルギーなどの自主事業を展開しながら「コンサル本来の各種調査・設計業務の受注につなげる」。
 長大は国内にとどまらず、海外での地域活性化事業にも注力する。フィリピン・ミンダナオ島で道路整備、農・水産業振興、エネルギー開発を進め、今後は港湾開発を予定する。永冶泰司社長は「この取り組みを地域創生モデルとして日本や他国に展開する」方針だ。
 インフラ保全に活路を見いだすのは八千代エンジニヤリングの出水重光社長とE・Jホールディングスの小谷裕司社長。出水社長は「技術推進本部に設置したインフラマネジメント部で施設の包括管理などの事業拡大を狙う」、小谷社長は「設置後2年がたつインフラ保全センターの体制を強化し、発足時の22人から倍近い人数に増やした」。
 自らが出資して事業を生み出しているのはオオバ。得意の土地区画整理事業の業務代行で、事業費の一部を出資。辻本茂社長は「設計料とは別に出資によるリターンも得られる」と強調。出資を検討中の事業は30~40件に達している。

大手コンサル/国内市場開拓に本腰/技術開発費増額や部門新設など

《日刊建設工業新聞》

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