ノーベル賞の晩さん会で注目! 高級食材としてのウズラ肉に注目! 画像 ノーベル賞の晩さん会で注目! 高級食材としてのウズラ肉に注目!

インバウンド・地域活性

ノーベル賞の晩さん会のメイン料理に登場したウズラ肉――。欧州では一般的な食材だが、日本では採卵経営が中心のため、国産はほぼ流通していない。そこに商機を見いだし、食肉専業経営に転換した農家がいる。愛知県豊橋市の内田貴士さん(41)だ。ウズラは鳴き声が「ご吉兆」と聞こえることから、日本で縁起がいいと好まれてきた。酉(とり)年の今年、高級食材としての売り込みに力を入れる。
60日飼育で輸入物と差別化 鮮度良さ強み
 内田さんの農場にあるウズラ肉の納入先を記したホワイトボード。そこには、ミシュランのレストランガイドに星付きで載る有名店が並ぶ。航空会社がファーストクラスの機内食に採用した実績もある。

 「取引先を開拓するため、1軒ずつクーラーボックスにウズラ肉を入れて訪問した。『試してほしい』という手紙を書き、お願いするところから始めた」。内田さんは、これまでの苦労を振り返る。

 もともと父親がウズラ飼養羽数日本一の同市で、30年近く採卵の会社を経営してきた。その後を継いだが、餌が高騰し、安価な輸入卵の増加で経営は厳しかった。そこで2010年、ウズラ肉の一部生産に踏み出した。16年10月から全面的に肉生産に切り替えた。

 「今まで国産のウズラ肉といっても、卵を産み終えた廃鳥を肉に回す程度であり、その肉もほとんどがペットの餌用だった。しかし、海外では食材として地位を築いていると知り、国産に挑戦した」と説明する。

 商品化に当たって、重視したのが輸入品との差別化だ。海外では約30日で出荷しているが、内田さんは脂やうま味をのせるために倍の60日まで育てる。欧州産の輸入肉は届くまでに1週間かかることから、ウズラを処理して翌日に届けるという。これにより、欧州産にはまねのできない「鮮度の良さ」を売り込む。

 育て方として餌のコストを抑えるため、卵を産みにくく、大きくなりやすい個体を選抜した。餌には地場産の大葉の規格外品を乾燥させて与えることで、肉の臭みを消し、風味を付けているという。

 飼養羽数は3万5000羽で、月間1万5000羽を出荷する。今後は「自分たちで常設の店を持ち、地域の新名物として発信できるようにしたい」と意気込む。(立石寧彦)

ウズラ肉 専業経営に活路 ノーベル賞の晩さん会料理で注目 愛知県豊橋市 内田貴士さん

《日本農業新聞》

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