専門誌の新年号は何を伝えたのか? 『業界展望』に聞く 画像 専門誌の新年号は何を伝えたのか? 『業界展望』に聞く

制度・ビジネスチャンス

 ◇東京五輪後見据えた準備本格化
 国内の堅調な建設需要を背景に、業績が安定して推移するゼネコン各社。2016年4~9月期は資材・労務価格が期初の見込みほどは上がらず、工事採算が一段と改善。前年に続き過去最高益を更新した企業もある。
 ゼネコンの経営トップの中には、「業界全体として応えられる仕事量が発注されている。17年も国内の建設マーケットは変わらず堅調だろう」(大手社長)と、引き続き好調な受注環境が続くとの見方が多い。
 ただ、建設コストの上昇懸念は、今後再燃することが確実視されている。首都圏を中心に2020年東京五輪関連施設や再開発事業など大型プロジェクトが一斉に仕上げに入るためだ。「16年の初めは2~3%上がると見ていたが、18~19年はさらに上がるのではないか」(大手社長)との声も出ている。
 そうした中、17年度に中期経営計画の最終年度を迎える企業や新計画をスタートさせる企業の中には、次期計画に五輪以降の中長期を見据えた施策を盛り込む社が大半だ。
 「全体量は極端に減るとは思っていない」(大手社長)、「当社が関わる仕事は多い」(準大手社長)などと、20年以降も安定した需要を予想する声が目立つ。その一方で、「受注産業のため市場の影響を受けやすい」(準大手社長)として、経営資源を多様な分野に振り向ける動きも活発化している。
 その一つが海外事業だ。為替の変動リスクがあり、英国の欧州連合(EU)離脱や米国のトランプ政権発足の影響を注視しながらも、「可能性をたくさん用意しておく」(大手社長)として、進出拠点の再構築を急ぐ企業もある。日本政府がインフラ整備に今後3年間で約1兆円を拠出する方針を打ち出したアフリカを、東南アジアに続くターゲットに据える企業も出てきた。
 新ビジネスで先行する企業の中には、売電価格が頭打ちとなり、ピークを迎えた太陽光に代わり、風力・バイオマス発電事業の準備や付加価値の高い野菜を育てる植物事業のノウハウを蓄積するところも多い。空港や有料道路のコンセッション(公共施設等運営権)事業に参画する企業もある。
 若手の育成と定着は業界共通の課題で、新入社員研修を手厚くする企業や体験型研修用施設を設けた企業もある。ICT(情報通信技術)などを活用し、現場の生産性を高める技術の導入や職場の労働環境の改善も加速しそうだ。

2017新年号/業界展望/ゼネコン

《日刊建設工業新聞》

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