肌に良し、食べて良し、飼って良し、酉年に現れたこの鳥の名は? 画像 肌に良し、食べて良し、飼って良し、酉年に現れたこの鳥の名は?

インバウンド・地域活性

 酉(とり)年の2017年、肌に良し、食べて良し、飼って良しの鳥がいる。オーストラリア原産のエミューだ。北海道網走市にある東京農業大学発の企業「東京農大バイオインダストリー」は地元で生産されるエミューの肉を加工し、ハムやソーセージの販売を始めた。エミューの脂を生かしたスキンケア商品も好調だ。同社の他、農家3戸が飼育し、同市を代表する畜産物として存在感を高めている。
酉年の注目株
 エミューは、同国の草原や砂漠地帯に生息する鳥で、ダチョウに次いで背が高い。寒暖の差が激しい環境でも飼育でき、気性は穏やかだ。国内での本格的な飼育は1990年代に北海道下川町で始まったといわれている。

 エミューの皮下脂肪から抽出した脂は抗炎症作用に優れ、オーストラリアでは医薬品やサプリメントとして商品化されている。

 同社は保湿性に着目、スキンケア商品を開発しようと04年からエミュー飼育に乗り出した。エミューは12月~翌年3月の日没後に産卵、年間20個ほど生む。同社は人工ふ化を繰り返して飼養数を拡大。現在は市内の農家3戸を含め1300羽を飼養、年間200羽をと畜し、同社が一手に加工を引き受ける。

 脂は1羽から6リットルほど取れ、モイスチャーオイルや洗顔フォーム、せっけんなどを製造。モイスチャーオイルは1本(30ミリリットル、5000円・税別)で販売。「乾燥肌で困っていたが、しっとりとする」と好評で、年々売り上げを伸ばしているという。
スキンケア用品に続き 肉・卵も商品化
 脂だけでなく、最近は肉も商品化した。1羽から8キロほど取れるため、昨年7月からハムやソーセージ、ジャーキーの加工も始めた。タンパク質含有量は他の肉とあまり変わらないが、女性に欠かせない鉄分は豚肉の約4倍に上り、脂肪分はほとんどないのが特徴。贈答用として1セット3000円(税別)で販売を始めた。

 同社は、健康志向の高まりに加え、鉄分不足を心配する女性のハートをつかみ「人気商品に育ってほしい」と期待する。同市のふるさと納税の返礼品にもなった。

 エミューの卵を使ったどら焼きもある。ふ化させられなかった卵を活用し、菓子店に製造を委託。小麦や小豆も北海道産を使用、同市をPRする商品としてイベントなどで人気を集めている。

 同社の平岡幸信事務局長は「脂、肉ともに成分に特徴があり、エミュー飼育は可能性がたくさんある」と展望する。製品は同社の販売サイト「東京農大たくみ屋」で買うことができる。(岡信吾)

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《日本農業新聞》

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