中小二次製品メーカーが連携、雑草を抑えるブロックの普及へ 画像 中小二次製品メーカーが連携、雑草を抑えるブロックの普及へ

インバウンド・地域活性

 車道と歩道の境目など少しでも隙間があれば次から次へと生えてくる道路端の雑草。財政難の中、道路管理者にとっては定期的な刈り取り作業が必要な悩みの種だ。植物がもともと持っている性質を利用して雑草の生育を抑える特殊形状のブロックの普及活動に、全国の中小コンクリート二次製品メーカーが連携して取り組んでいる。国や自治体の事業で採用が広がりつつある。
 製品の名称は「防草ブロック」。国土交通省の新技術情報提供システム(NETIS)にも登録されている。歩車境界ブロック、L型街渠、落蓋U字型側溝などのコンクリート二次製品のほか、鋼製の排水溝などグレーチング製品もラインアップされている。
 特徴は、ブロック側面に切り欠け部を設けていること。植物には、重力を感知して根が下方向へ成長する「屈地性」と、芽や茎は光に向かって上方向に成長する「屈光性」という性質がある。このブロックを設置すると、切り欠け部分で根は上方向、芽は下方向へと、本来とは逆の方向に進路を変えられ、植物は自然に成長を止めるという。既存のブロックに切り欠け部を設けるだけなので、環境への悪影響がない。
 各種のブロックに切り欠け部を設けることは、名古屋を拠点に防草技術を研究していた石川重規氏(防草研究会主宰)が考案。「5年に及ぶ実証を経て、防草効果のある角度や形状を突き止めた」(石川氏)。これを二次製品メーカーと共同で最初に製品化したのが2004年。以降12年間で全国607件の道路新設への適用実績を上げ、右肩上がりで伸びている。
 5年前にはメーカー10社が集まって全国防草ブロック工業会(会長・矢野明正矢野コンクリート工業代表取締役)を設立。会員は徐々に増え、現在は正会員と賛助会員合わせて45社が参加する。石川氏は顧問として会員各社と共に普及活動に取り組んでいる。
 会員企業は北海道から沖縄まで各地にあり、全国どこでも工業会仕様の製品を製造できる体制を構築。各地のニーズに応じて多くの運送費用をかけずに現場に製品を提供することが可能で、従来品と同等の価格で提供しているという。
 これまで環境賞(第40回)、国土技術開発賞(第16回)、愛知環境賞(第12回)、発明対象(第41回)とさまざまな賞も受賞。11月には第13回エコプロダクツ大賞の審査委員長特別賞(奨励賞)に選ばれた。
 各種展示会に出展したり、国交省の出先機関が地域の自治体を集めて開く勉強会に参加したりして、技術の説明を行っている。
 現在の防草ブロックの対象は主に新設道路。維持管理・更新需要も取り込めるような製品も開発中だ。

中小二次製品メーカー/雑草の成長抑制するブロックの普及へ連携/屈地性と屈光性利用

《日刊建設工業新聞》

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