ゼネコン各社、技術系社員教育を強化。体験型研修施設を整備、海外人材も育成 画像 ゼネコン各社、技術系社員教育を強化。体験型研修施設を整備、海外人材も育成

人材

 ゼネコン各社が、技術系社員の教育に一段と力を入れている。2020年東京五輪に向けて増加した工事量に対応し、品質を維持していくためにも、建設現場で施工を管理する若手技術者のレベルの底上げが必要。より実践的な研修にするため、体験型研修用に新たに施設を設けた企業や最先端技術を導入する企業もある。海外事業の基盤固めに海外で通用する人材の育成も進んでいる。
 好調な建設需要を背景に、上向いた利益を人への投資に回す企業も目立つ。特に若手の育成と定着は業界共通の課題となっており、各社とも対策に知恵を絞っている。
 安藤ハザマは、茨城県つくば市の技術研究所敷地内に研修用宿泊施設「TTC(テクノロジー・トレーニング・センター)つくば」を6月に開設した。新入社員研修の期間を従来より長くし、2週間の集合研修後、土木、建築に分かれ、5カ月間の専門研修を行うようにした。
 土木はボックスカルバート、建築はマンションを模した小型の躯体を造るなど実践的なカリキュラムが特徴で、高橋正樹社長室人事部長は「実際にものづくりを体験できる。切磋琢磨(せっさたくま)し、同期の絆も強くなる」と研修の意義を強調する。
 ピーエス三菱は本年度、従来行っている入社3年目のフォローアップ研修に加え、入社2年目の社員のフォローアップ研修を始めた。この研修に合わせて、2年目の社員が新入社員と懇談する機会を設けた。1年前の経験を伝えるなどして相互の成長につなげる。
 現場実習の実施や資格取得のため、新入社員の研修期間も倍の6カ月にした。「採用した人をきちんと育て、入社3年以内の離職者を減らしたい」と藤井敏道社長は狙いを話す。
 清水建設は、施工系の若手技術職員を主な対象にした体験型研修施設「ものづくり研修センター」を東京都江東区の東京木工場内に17年4月に開設する。研修用材料として建物の実物大模型を構造別に備え、現場さながらの環境で、躯体工事の基礎知識や品質検査のノウハウを学ぶことができる。
 東鉄工業は、埼玉県蓮田市の社内施設にレール溶接技術訓練設備を3月に開設した。技術者の育成により、溶接施工を拡大するとともに、発注者のニーズへの即応能力を高める。
 研修に新しいツールを採用するケースも出てきた。大林組は、仮想現実(VR)技術を使った施工管理者向けの教育システムを導入した。建設現場さながらの環境をVR上に実現し、場所を選ばずいつでも手軽に体験型研修が可能になる。受講者はヘッドマウントディスプレーを装着し、VR上に現れる教育用躯体の配筋の不具合を探す。不具合箇所に気付く感性を磨いてもらうのが狙いで、全国で研修に役立てていく。
 国内の将来的な市場縮小に備え、海外事業の基盤強化に力を注ぐ企業も少なくない。熊谷組は、台湾現地法人・華熊営造と若手社員を相互に受け入れて研修を実施しているほか、台湾の技術者を国内の建設現場に配置するなど、世界で通用するグローバル人材の育成にも積極的だ。
 西松建設は、海外ローカル職員の育成に向け、香港支店に所属する現地採用職員2人の日本国内での現場研修を実施している。11~12月にかけて土木・建築の現場十数カ所を回り、日本式の施工、安全、品質管理などを学ぶ。坂口之規国際事業本部管理課副課長は「西松のシステムを学び、現地で水平展開してほしい」と期待を込める。

ゼネコン各社/技術系社員教育を一段と強化/体験型研修施設整備、海外人材も育成

《日刊建設工業新聞》

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