VRによる未来のコミュニケーションとは? 画像 VRによる未来のコミュニケーションとは?

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 10月5日から7日にかけて、米国カリフォルニア州サンノゼで「オキュラス・コネクト3」というイベントが開催されました。

 主催は今や16億5,000万人(日本国内2,400万人)のユーザーを持つ世界最大のソーシャルネットワークサービスのフェイスブックです。フェイスブックは、2014年にVR機器「オキュラス・リフト」を開発していたオキュラスVR社を20億ドル(2,000億円)で買収し話題となりました。

 今回の「オキュラス・コネクト3」では、フェイスブックのCEOマーク・ザッカーバーグ自らが壇上に立ち、VRを利用したコミュニケーション・サービスを本格的に展開するというニュースを発表しました。会場では、ヘッドマウント・ディスプレイをかけたマーク・ザッカーバーグが、フェイスブックのメンバーとVR空間の中でアバターと呼ばれる自分自身の「分身」を通して会話をしたり、ゲームに興じる姿を披露しました。フェイスブックが何故オキュラスVR社を巨額の費用をかけて買収したのかについての答えが明確になったことで、今回の発表はメディアにも好意的に受け取られたようです。

 フェイスブック以外でも、VRを利用したコミュニケーション・サービスを発表している企業は増えてきています。

 2007年に日本でも話題になったセカンドライフというサービスのメンバーが立ち上げた「ハイ・フィデリティ(https://highfidelity.io/)」は、VR空間の中で自分の好きな部屋を創り上げたり、アバターを使ったコミュニケーションを行うサービスとして現在はβ版が公開されています。

「オルトスペースVR(https://altvr.com/)」も「ハイ・フィデリティ」と同様にアバターを使ったコミュニケーションを行うサービスで、現在はVR空間の中で一緒にテレビ番組を見ながら会話をしたり、ゲームをしたりすることが可能です。

 日本発の「クラスター(https://cluster.mu/)」というサービスでは、VR空間の中で同時に数百人から千人規模でのイベントやプロモーションを行うことができます。

 また日本国内のキャリアの中ではKDDIが他社に先駆けてVRへの取り組みをスタートしており、未来のVR空間でのコミュニケーションとして「Link-door」といったコンセプトを発表、デモ展示などを行っています。

 このようにVR空間を利用したコミュニケーションを行うサービスが注目を集めているのはなぜなのでしょうか?

 遠く離れた人同士が、その場で会っているような臨場感を持ってコミュニケーションをする技術を総称して「テレプレゼンス」と言います。第1回の記事で説明した通り、VRとは「コンピュータによって作られた世界を、目、耳、肌などの五感で体感する技術、コンテンツ」です。VR機器による体験は、まさにこの「その場で会っているような臨場感」を体験できるため、電話やビデオ以上の、その人が「そこに居る」というコミュニケーションを可能にします。1984年に初めて紹介されたこのテレプレゼンス技術が、今回の一般消費者向けVR機器の登場でいよいよ普及を迎え現実的になってきた訳です。

 今回、紹介をした一般消費者向けのVRコミュニケーション・サービスだけではなく、今後はビジネス分野においてもVR空間の中だからこそ伝えられる3Dモデルの質感や雰囲気、そしてそれを目の前にしながらのクライアントや仕事仲間とのコミュニケーションといった利用は広がっていくと考えられます。インターネットやPCが一般化したことで、Skypeなどでのビデオ映像による打合せが一般的になりました。近い将来、VR機器の普及により、遠く離れた職場や顧客と、VR空間でリアルタイムに商談をするといった光景も当たり前になっているかもしれません。


●プロフィール
沼倉正吾(ぬまくらしょうご)
DVERSE Inc.(ディヴァース・インク)CEO。エックスタイムジャパン株式会社取締役、有限会社ナスカークラフト代表取締役を経て、14年にDVERSE Inc.を設立。バーチャルリアリティに関するシステムやコンテンツの開発を行う。


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《沼倉正吾》

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