二階俊博自民幹事長に聞く。「地域建設業者は不可欠」 画像 二階俊博自民幹事長に聞く。「地域建設業者は不可欠」

制度・ビジネスチャンス

 自民党の二階俊博幹事長が日刊建設工業新聞の単独インタビューに応じた。二階氏は、地震や豪雨などの災害が頻発する中、地域で活躍する建設業者の重要性を指摘。人材や建設機械を維持しながら災害対応にも当たれるよう、公共事業費の安定的で持続的な確保が不可欠だと強調した。群馬県沼田市や高松市で始まった廃校を利用した建設職人の育成にも関心を示し、「党としても協力していきたい」と語った。
 --今年も豪雨や地震による災害が各地で発生した。
 「自然災害に対し、『国土強靱(きょうじん)化』という視点で対処しなければならないことを随分前から訴えてきた。公共事業に批判的な人たちは、熊本や鳥取の地震をはじめ災害が多発する状況を見ても厳しい意見を言い続けられるだろうか。どんな理屈も通用しない。『備えあれば憂いなし』と言うが、その備えが十分でないことが、多発する災害を通じて随所で分かってきた」
 「先日、50年以上前に造られた首都高速道路の現状を見にいった。老朽化が進んでいる状況に警鐘を鳴らさなくてはいけない。東京の大動脈に支障が生じたら、日本経済に与える影響も大きい。何か起こる前に、あらかじめ対応しておかなければならない」
 --災害発生時に活躍する地域の建設業者の存在をどう考える。
 「災害が発生した際、大手建設会社が果たす役割も大きいが、何と言っても『地域の守り手』として現地へすぐに駆け付けられる地域の建設業者の存在は欠かせない。それなのに、事業量が落ち込む中で、保有していた建設機械を手放してしまった会社が少なくない。機械を持たなかったり、地域によっては建設業者がいなかったりする状況は深刻だ。災害が起きてからでは遅い。常日頃、いざという時に備えて地域の建設会社の皆さんに活躍してもらえるようにしておかなければならない。自民党が先頭に立って取り組む」
 --甚大な被害が発生したときの早急な対応も求められる。
 「災害で甚大な被害が発生した場合には、激甚災害指定に迅速に取り組まなければならない。現地を一目見れば、その災害が激甚かどうかは分かる。復旧・復興工事に早く取り掛かれるよう、公平性や公正性を担保しながら入札契約手続きのスピードアップが図れる方法を研究しておくことも必要だろう」
 --人材や機械を維持する上で、平時から必要な事業量を安定的に確保する必要がある。
 「8月に群馬県建設業協会から人材や重機を維持していく上で最低限必要な『限界工事量』を割り込む地域があるとして、公共事業予算の増額を求める要望書を頂いた。16年度第2次補正予算では公共事業関係費に約1・4兆円が計上された。17年度予算でも公共事業予算を確保し、地場の建設業者の受注機会がしっかりと確保されるよう政府に働き掛けていくつもりだ。災害時の対応は業界にも考えていただきたい。1社で無理なら、力を合わせて機械を持ち寄って対応することも必要ではないか」
 --第3次補正予算の必要性を指摘する声もある。
 「今直ちに判断する段階ではないが、地域経済が立ち直れない状況が続くのであれば、その時は景気最優先で対応する。安倍晋三首相も景気回復に全力を注ぐ構えだ。常にどのような状況にも対応できる準備を整えておかなければならない」
 --廃校を活用して現場で働く職人を育てる動きが群馬県沼田市の「利根沼田テクノアカデミー」や高松市の「職人育成塾」などで始まった。地域の率先した取り組みをどう見る。
 「人手が足りないとぼやくばかりではなく、自ら育て補充していこうという取り組みは素晴らしい。こうした新しい動きが各地に広がることを期待しているし、自民党としても応援、協力したい。海外でも事業を展開して現地で育て、日本で働きたい人がいれば、迎え入れるのもよいのではないか」。

二階俊博自民幹事長に聞く/「地域建設業者は不可欠」/公共投資の安定確保が重要

《日刊建設工業新聞》

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