経営者は“いい欲”を持とう! 画像 経営者は“いい欲”を持とう!

制度・ビジネスチャンス

 いい会社をつくり、社員を幸せにしていくための最大の原動力となるものは、その会社や事業を推進していく者、すなわち社長が“いい欲”を持つことである。さまざまな困難を乗り越えて会社を発展させていくには、やはり欲は必要だと思う。

「こういう会社にしたい。こういう人間になりたい。そして、お金も稼ぎたい」という自分の本音の欲を持っていていいと思う。ただ、「お金を稼ぎたい」という発言を繰り返していると、「金だけのために仕事をやっているのか!?」などと言われかねないので、その欲を隠している社長が本当に多い。

 しかし、「お金を稼ぎたい」という欲は決して悪い欲ではない。

 事業家が持つ欲として、当たり前のものなのだ。むしろ、それが欠けている社長のほうが問題だ。強い欲や思いがなければ、事業はそう簡単にうまくいかないからだ。

 社員が幸せになる会社をつくるには、まずは社長が幸せになることだ。社長が自分の欲や思いを実現できつつあることを感じることだ。人は自分が幸せを感じられなければ、他の人の幸せを願うことはできない。たとえまだ十分に稼いでいなくても、それに向かって突き進んでいるのであれば、社長は幸せを十分に感じられるものである。それゆえ、まずは社長が幸せなることがいい会社へのスタートになる。

「欲を持つ」というと、何か悪いことのように感じられるのは、強欲とか独占欲とか自己顕示欲など、欲はよくない意味で使われることが多いからである。しかし、人間である以上、誰もが欲を持って生きている。

 会社においても、「お金を稼ぎたい」という欲もあるが、「事業を通じて世の中をよくしたい。お客様に喜んでもらいたい。社会に貢献したい」という次元の高い欲もあるのだ。「縁あって集まってくれた社員を幸せにしてあげたい」という欲も、社長であれば多かれ少なかれ持っているはずである。

 欲を持つこと自体は悪いことではない。「自分だけよければいい」という欲を持つのがよくないのである。先ほどあげた強欲とか独占欲も、「自分だけよければいい」という類の欲だからよくないわけだ。「自分もよくなり、幸せになり、そして社員も幸せになって、さらにお客様や社会にも貢献していきたい」といういい欲を持つことが大事なのである。そのために、「お金を稼いでいきたい」のであれば、それもまたいい欲と言える。

 このような「いい欲」を内に秘めておいたうえで、毎日毎日のビジネスは、お金を稼ぎたいという超現実的な欲を持って進めていけばいい。それには数字、会計が大きな役割を果たす。お金を稼げたかどうかがわかるのは、数字である。毎日毎日の売上、経費、利益がわかって初めて儲かったかどうかがわかる。

 本当に稼ぎたいという欲を持っているのであれば、数字を毎日毎日見たいはずだ。月次決算など待っていられないだろう。ましてそれが半月も1ヵ月も遅れるような月次決算をやっているとしたら、「本当に稼ぐ気あるのか?」と疑いたくなる。

 しかし、こうした社長はかなり多い。残念ながら、社長としてお金を稼ぎたいという欲が弱いのだ。

 本当にお金を稼ぎたい、そしていい会社にして、自分も社員も幸せにしたいと思うのであれば、毎日毎日の数字をチェックすることだ。毎日の売上と経費と利益の日計表をつけていき、毎日それらを見ながら、「どうしたら、もっとこの数字をよくしていくことができるのだろう」と考えていく。そして、思いついたことがあれば、即やることが大切なのである。

 こうした日々の実践を通じて、社長は儲かる会社、強い会社をつくっていく。いい会社にするには、いい欲から始まるのだと私は思う。「お金を稼ぎたい、お金を稼ぎたい」とばかり思っていた社長が、いつの間にか社員を幸せにする社長に変わっていくのである。


●北岡修一(きたおかしゅういち)
東京メトロポリタン税理士法人 統括代表。25歳で独立以来、税務会計業務を基本としつつも、経営診断、人事制度の構築支援、システム導入支援などコンサルティング業務にも携わってきた。現在は「会計理念経営」を掲げ、「会計を良くすると、会社が良くなる!」をモットーに、誠心誠意、中小企業を支援している。主な著作に『社長の「闘う財務」ノート ~ 社長の数字力が会社を鍛える』(プレジデント社)がある。


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《北岡修一》

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