【養殖モノを海外で売る!:3】狙うは富裕層、DHA強化ブリ 画像 【養殖モノを海外で売る!:3】狙うは富裕層、DHA強化ブリ

海外進出

【記事のポイント】
▼“美味しくて健康にも良い”魚の脂に、世界の富裕層が注目
▼アジア圏の食文化では、カマなどの部位にも需要が
▼コールドチェーンが確立されたばかりの国に新規参入のチャンス


■大手の寡占が進む国内マーケット、海外に活路を求める

 地方では高齢化が進む中で、養殖生産者がその数を減らしつつある。その一方で国内の海面魚類養殖業生産量は約25万トンと、ほぼ横ばい状態に。つまり、大規模事業者による保有尾数が増えており、今後少子化によるマーケットの縮小が予測される中で、国内では激しいシェア争いが行なわれることになりそうだ。

 その中で今、販路を海外に求める動きが増えている。古くから三重県で魚の加工業を手掛け、10年前からはブリの自社養殖にも着手した尾鷲物産もその一つだ。アベノミクスが打ち出す「農林水産物・食品の輸出促進」に伴う国や県の支援を受けて、14年から輸出事業を本格化。世界に向けて冷凍ブリを出荷するほか、台湾とシンガポールには生食用のブリも輸出している。

 尾鷲物産総務部常務取締役の玉本卓也氏によると、以前から商社を通じて、ブリのカマを輸出していたという。国内マーケットでは値段が取れない中で、最終的に一番売価が高かった仕向け先が台湾だった。そのため、海外市場への展開についてはある程度のイメージがあり、ここ数年増えている国や県が主催の商談会にも積極的に参加していたという。

「アジアでは日式と呼ばれる日本食レストランも増えていますし、日本人が経営する本格的な和食の店も現れています。数年前に弊社の社長が、そんな和食の店を訪ねたことがありました。そこは、かなりの高級店なのですが、予約が無いと入れないほどの人気で、魚の品質もなかなかに高い。こういう市場であれば勝機があると考え、それが海外市場に本格進出するきっかけとなりました」

■注目すべきは富裕層の数とコールドチェーン

 海外市場に打って出る上で、ブリという魚にはいくつかのアドバンテージがあった。日本固有種であり、脂の乗りが良いこと。それでいて、その脂には不飽和脂肪酸のDHAやEPAが含まれており、健康志向を打ち出せる。これが、特に富裕層向けには良いアピールになった。

 ただ、日本におけるブリの主な輸出先はアメリカだが、冷凍輸出からはじめて10年以上の歴史があるため、すでに販路はある程度の寡占状態にあるという。価格競争も活発化しており、CO2処理のような独特の加工法が評価されている部分もあるため、後発が参入するのは難しい。

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《丸田鉄平/HANJO HANJO編集部》

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