~定額制ビジネスに勝算あり:1~ワイシャツレンタル、会社員ニーズを掴む 画像 ~定額制ビジネスに勝算あり:1~ワイシャツレンタル、会社員ニーズを掴む

IT業務効率

■ストック型として成立する継続率の高さ

 ワイクリンはなぜ順調なスタートを切ることができたのか? 長尾氏によるとその背景には、約1年間をかけた綿密な準備があったという。

「染み抜きやボタンつけなどメンテナンスも付属すること。ワイシャツは20枚単位で、1か月に1回のやりとりで済むこと。アンケート調査の結果もとに、細かくサービスを設計したことが、ニーズにうまくハマったのではないでしょうか」

 事業計画について知人に相談する中で、人の着たワイシャツをレンタルすることに抵抗があるという意見もあったという。これを元にワイクリンでは、自分専用とするナンバリングを導入。失敗の可能性を一つ一つつぶしている。

 事前の市場調査が功を奏し、実際の利用者からも好評を得ているという。なによりワイシャツのメンテナンスから解放されることの利便性は、一度体験するとやめられないようで、継続率は非常に高い。いったん解約した人が、再び契約してくることもあるという。

■徹底したアウトソーシングで異業種参入に成功

 ワイクリンのビジネスは、徹底したスモールスタートとアウトソーシングによって成り立っている。NextRがスタートアップということもあるが、例えばワイシャツの受け取りや配送には宅配便を利用している。ワイシャツはメーカーと提携して調達し、クリーニングやメンテナンスは企業向けのクリーニング事業者に外注している。

 一方で、プロモーションはサービスイン前の3月に、一度行ったプレスリリースのみ。PR会社に依頼してテレビや雑誌、Webメディアなどに配信している。もともと、市場調査でニーズに対して手応えを感じていたが、サービス内容の物珍しさもあり、すぐに各種メディアで取り上げられた。そのほかの販路開拓としては、16年11月にはJTBベネフィットと契約し、JTBグループ向けの優待サービスにワイクリンを組み込んでいる。

 こうしてワイクリンのビジネスモデルを見ると、立ち上げからプロモーションまでが、事業計画どおりに運んでいるのが見て取れる。では、今後の展開はどうだろう? もともと営業職だった長尾氏は、法人の開拓も考えているという。企業の福利厚生として、出張や単身赴任者といったシーンに向けて、新しいサービスを展開していくイメージだ。

 独身者や共働きの家庭が増え、ワークスタイルの変革が叫ばれる中で、消費者には日常生活においても負荷を軽減したいというニーズが見える。家事代行サービスのマーケットは拡大傾向にあるというが、こうした日々発生する作業を肩代わりする事業は、定額制にすることで安定した売り上げを確保する可能性を秘めている。ワイクリンのようにアイディア次第で、新たなビジネスを生み出せそうだ。

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《中尾真二/HANJO HANJO編集部》

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