【新ものづくり・新サービス展:2】新業態を成功させるツボ 画像 【新ものづくり・新サービス展:2】新業態を成功させるツボ

イベント

【記事のポイント】
▼優れた技術をアピールするだけではマッチングははかどらない
▼新技術に付加価値だけでなく、コストダウンの可能性も見出す
▼伝統ある企業は、拡大ではなく革新に価値をおくことが重要


■“剥がせる製本”で高付加価値とコストダウンを両立させるアイディア

 近年では中小企業において、展示会やウェブといったマッチングの機会が増えている。11月30日より東京ビッグサイトで開催されている、「ものづくり補助事業」の成果を集めた「中小企業 新ものづくり・新サービス展」もその一つだ。会場では各社が自慢の技術をさまざまな形で展示している。ただ、その素晴らしさは理解できても、それをビジネスに活かす方法を考えなければいけないのが、マッチングにおける難しさ。そこで注目を集めているのが、単なる技術紹介に終わらず、その活用法までを提案しているブースだ。

 埼玉県・朝霞に工場を持つ印刷会社「トキワメディアサービス」では、その名も「剥がれ三兄弟」という、剥がせる製本技術を開発。これを、章単位の小冊子として剥がして使える教材や試験問題、楽器パートごとに剥がして使える楽譜としての利用を提案している。

 このような提案の中でも興味深いのが、剥がせる製本が高付加価値としてだけでなく、コストダウンにも貢献している点だ。問題用紙でよく使われている下から上へと開く“天開き”の冊子は、ここ数年で見る機会が少なくなった。大量生産が利かなくなったことで、その印刷コストは値上がりしている。しかし、最終的に剥がして使うのであれば、天開きである必要性はない。この提案が受け入れられて、ある発注先では問題集の製本を横開きに変更。コストを抑えることに成功したという。

 また、同社では剥がしたページを元通りに貼り付けられる脱着製本「だっちゃくん」も手掛けているが、これによってテキストの配布側は無くさず、配りやすいようにとビニールなどでまとめる手間やコストを省くことができた。利用者もバインダーのような、後付けのコストを支払う必要はなくなり、発注が増えたトキワメディアサービスも含めて三方良しの関係ができている。

 トキワメディアサービス取締役営業本部長の桑田祐治氏によると、「生涯学習のユーキャン」や「栄光ゼミナール」のテキストに採用されたことで、現在では生産能力の約3割が剥がせる製本や脱着製本のラインになっているという。その開発のきっかけは、ある講師のテキストの使い方にあった。

「分厚いテキストの中でも、1日の授業で使うのは50ページ程度しかありません。鞄の中で重くかさばることを嫌ったその講師の方は、毎日必要な部分だけテキストを切り取って持ち歩いていました。そこに新たな需要を感じましたね」

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《丸田鉄平/HANJO HANJO編集部》

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