【プロ人材と地方企業:3】異業種からの管理職採用は穴埋めにあらず 画像 【プロ人材と地方企業:3】異業種からの管理職採用は穴埋めにあらず

人材

【記事のポイント】
▼中小企業が規模拡大する際に不足するのが管理職
▼多様な価値観を持つスタッフの管理には、1対1のマネジメント能力が必要
▼営業職が持つコミュニケーション能力で、現場の信頼を勝ち取る


■規模拡大とともに不足するマネージャー人材

 看護師や介護士といった福祉関係の業界は、比較的労働の流動性が高いとされる。働きやすい環境、より待遇のいい事業所を求めて転職を繰り返すスタッフもいる。そこで、問題になるのが管理職の不足だ。

 小規模の事業所や施設であれば、経営者がマネージャーを兼ねることもでき、大きな問題にはならない。しかし、規模が大きくなると、どうしても施設ごと、グループごとのマネージャーの存在が必要。現場スタッフの流動性が高く、キャリアパスが十分に整備されていなければ、ベテランや幹部の育成は難しい。

 兵庫県で介護福祉施設を運営する社会福祉法人あかねも、そんな問題を抱えていた事業者のひとつ。正社員は300名、パートは450名。県内に複数の施設を展開しているが、特別養護老人ホームを新たにオープンするに至り、管理者の不足が問題化した。

■1対1のマネジメントができる人材が必要だった

 かつて、あかねは理事長のトップダウンで、スタッフの人事管理に大きな問題はなかったという。しかし、入居者やスタッフ、施設数が増え、理事長の世代交代もあったことから、「以前のやり方には限界を感じるようになった」と、経営管理本部人事マネージャーの中尾公則氏は話している。

 従来は上からの意思や方針を、下へうまく流すようなマネジメントを中心に考え、そのようなマネージャーを採用、配置していた。しかし、それでは多様な価値観を持ち、福祉や仕事に対するモチベーションもさまざまな現場スタッフの管理は難しい。

「重要なのは、上からの大方針を押さえつつ、スタッフ個人のスキルを活かした指導ができる能力です。1対nではなく1対1のマネジメントができる人が必要でした」

 このような人材は、スタッフの中にもいるだろうし、プロパーがマネージャー、管理職へとステップアップするのが理想である。実際、そういうマネージャーも存在するが、介護への思い入れが強く、資格と職能をベースに仕事をしているスタッフは、管理職やマネジメントに興味を抱かないことも多い。

《中尾真二/HANJO HANJO編集部》

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