【ITで攻めの農業:2】年間売上100万円超、農家の太陽光発電 画像 【ITで攻めの農業:2】年間売上100万円超、農家の太陽光発電

IT業務効率

 なお、ソーラーシェアリング導入に必要なコストについては、「作物がどれだけの日照量を必要とするかで変わってきます。50キロワット程度の出力であれば、最も安い場合で1500万を切るぐらいでしょうか」とのこと。合原氏の水田では実験的に画像撮影機能などの設備を設置したため、導入コストは1700万円とやや高い。ただ、一般的なソーラーシェエアリングで約10年、合原氏の水田でももう数年すればコストは回収できるという。1年間で想定している売電収入は100万円超。自動制御システムの採用で発電力は落ちているものの、「固定型で設置している他の発電に比べても、85%程度の発電量がある」という。

■営農そのものにも相乗効果のある”攻めの農業”

 では、ソーラーシェアリングの導入で注意すべき点とは何だろう。これについて合原氏が強調するのは光や雨をできるだけ均等に当てるために「幅が狭いモジュールを使ったほうが良い」と話している。また、風や地震で倒れてしまわないように、「地盤が弱いところは器具を深めに設置する」など強度の重要性についても言及していた。撤去命令が出る可能性を踏まえた農水省の指針では「支柱は簡易な構造で容易に撤去できるものであること」となっているとはいえ、そこはある程度の強度が不可欠なようだ。

 なお、ソーラーシェアリングを行っている農地では、光をさえぎることで温度が下がる。これにより、「結果的に農作物のできが良くなる」、「暑い時期の農作業が楽になる」、「畑ではパネルのある箇所に雨が直撃せず種が流されにくい」といった効果が生まれていると合原氏は指摘する。また、意外なメリットとして、“農地のインターネット化”にも期待ができそうだ。従来は農地には電源がなかったが、発電用の電柱を介して電線やネット回線を引き、作物の生育状況を遠隔監視するといったIoTの可能性が見えてくる。

 ソーラーシェアリングでは農業と発電事業を別物と捉えず、相互の調和を図ることが成功のポイントとなるだろう。売電による収益だけでなく、作物の高品質化、作物管理の効率化など、営農そのものにもたらすメリット。それは特に自らが田畑に立つ中小の農業従事者にとって、恩恵をその身で実感できるのが嬉しいところだ。これをIT化が進む“攻めの農業”にぜひとも取りいれたい。

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《本折浩之/HANJO HANJO編集部》

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