【新価値創造展:1】新技術が生んだデジタル陶器と終活ノート 画像 【新価値創造展:1】新技術が生んだデジタル陶器と終活ノート

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■陶器を立体成型? 3Dプリンターの新たなビジネス展開

 一方、会場ではプリンターを使って、陶器をつくろうという試みもみられた。これを参考出展していたのは、地図を模型や3Dプリンターで立体的に成形しているトラストシステム。今回の取り組みは素材に土を使うことで、3Dプリンターで陶器を成形しようというものだ。

 同社代表取締役の三田幸雄氏によると、これは陶芸家がつくった作品を大量コピーするというよりも、デザイナーがCADでつくった作品を形にするような用途を想定しているという。

「人の手や機械では成形できないような複雑な形も、3Dプリンターであれば再現できます。茶碗や花瓶といった一点モノが中心で、現状ではアート作品といった意味合いが強いですね」

 素材には有田焼と益子焼で使われている土のパウダーを使用。そこに若干の添加剤を加えるが、用途が食器のため有害物質を一切加えていないのが、同社独自の工夫だという。3Dプリンターで成形後は、実際に釉薬を付けて焼成することになるが、これは窯元での作業となる。なお、現在はテストサービスを行なっている段階だが、すでにアウトプットサービスとしてのビジネスはある程度目途が立っているとのことだ。将来的にはほかの焼き物産地の土を使ったり、素材にファインセラミックを使うことも検討しているという。

 なお、デザイナーの作品のいくつかは形としては美しくても、食器としての使い勝手に難のあるものもあるという。また、アーティストとしては仕上がりまでをイメージ通りに仕上げたいため、焼き物職人とデザイナーの橋渡しが不可欠だが、その役割を同社が担うことも想定している。

「食器としての実用性があるものを商品化するためにも、デジタル陶芸家のスクールがあっても良いかもしれません。現在、何人かデジタル陶芸に関心のあるアーティストの方にお声をかけていただいているので、作品づくりで生計を立てられるような、1ジャンルを確立するためのお手伝いができればと考えております」

 技術の進化はときに価格破壊や異業種参入を起こし、既存の業者を駆逐することすらある。一方で新技術をビジネスに結び付けて成功させることも、そう簡単な話ではない。今回ブースを出展していた2社は、いずれも新技術の台頭にのまれることなく、新たな商機を探ろうとしている。その姿勢や取り組みには、業界を問わない現代の中小企業におけるヒントがありそうだ。

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《丸田鉄平/HANJO HANJO編集部》

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