◆産学連携「こんな教授と仕事がしたい!」 協業成功に必要なコト 画像 ◆産学連携「こんな教授と仕事がしたい!」 協業成功に必要なコト

制度・ビジネスチャンス

 民間企業との共同研究費受入額が初の400億円を超え、特許権実施等件数もやはり初の1万件超えを達成。14年度の実績にも見られるように、産学連携の実施件数は年々増加の傾向にある。そして、ここでいう民間企業とは、大手やベンチャーに限ったことではない。中小企業のニーズが、大学のシーズとかみ合い、新たな商品やサービスが生まれている。

 しかし、多くの中小企業にとって、産学連携はハードルの高いものに映っている。技術者を新たに雇用することはできても、大学の教授らとどうやって一緒に仕事をすればいいか分からない。そもそも、大学との連携で何ができるかイメージがない……。結果、多くの企業が従来の開発プロセスから抜け出せずにいる。

 連載第一回目は国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)イノベーション推進部でベンチャー・中小企業支援事業に携わり、国立大学法人岐阜大学で研究推進部門 特任准教授として産学連携のコーディネート業務などに取り組む馬場大輔博士に、産学連携を実現・成功させる方法について話を伺った。

■産学連携の第一歩は、企業支援センターや自治体の相談窓口から

――中小企業にとって大学のような研究機関は縁遠い存在というイメージがあります。そもそも、どの教授に相談すべきか分からない方も多そうです。

馬場 大学にも産学連携の窓口がありますが、企業のニーズ対応を得意とする研究者がいなければ、その時点で話が終わってしまう可能性があります。さらに、そのニーズにも具体性が無ければ、大学側もそれにどう対応すべきか回答できません。つまり、まず企業側としては、どの大学の研究者が何を得意としているかを知ることが必要です。そして、ニーズについて説明するために、かんたんなメモでいいので提案書を用意しておくべきでしょう。

 研究者の専門分野については、各大学のホームページの研究者総覧などで情報を公開しています。産学連携部署のページも併設されていることも多く、相談方法なども調べることができます。ただ、わかりにくいことも多いので、闇雲に大学の研究者を検索するよりも、場合によっては自治体などにある、中小企業向けの相談窓口を利用することをお勧めします。ここにいるコーディネーターの多くは、大学の情報や各種支援策を知っています。ニーズを話せば、大学の研究者や補助金を紹介してもらえるケースもあるでしょう。

 ただ、いずれにせよ、企業側のニーズが具体的になっていなければ、やはり話が前に進みません。コーディネーターの多くは大企業のOBで、親身になって話を聞いてくれる人もいれば、見込みがないからと冷たくあしらわれることもあるようです。

――そこで必要になるのが提案書というわけですね。ここには何を書けば良いのでしょうか?

馬場 共同研究したい内容が何で、研究期間や研究費がどのぐらいあるのか。研究内容については、手持ちの資料でも構わないのでできる限り詳しく教えてください。商品開発であれば、どの部分の研究をどうしたいのか。課題解決であれば、問題点と改善要求の範囲などになります。これがあれば、どんなコーディネーターでも、まずは相談に乗ってくれると思います。

 また、相談窓口では大学の研究内容をまとめた技術紹介の冊子やチラシも置かれています。中には、具体的な産学連携の研究テーマが記載されている情報誌もありますので、ここでピンときたら連絡をとりたい旨を相談してください。大学によってはフェアや産学連携の相談会などを開催しているので、これも産学連携のよいきっかけになるでしょう。

――実際に大学に相談に行く場合にも、やはり提案書が必要になりそうですね。

馬場 理想としてはそうです。ただ、産学連携にも多様なスタイルがあります。「アドバイスがほしい」、「分析・評価してほしい」、「課題解決に協力してほしい」、「一緒に研究開発してほしい」、「何か新しい商品開発がしたい」など、できるだけご要望に沿った共同研究を調整していますので、大学への要望がある程度形になっているのが望ましいですね。

――産学連携の方法は一つではないということですか。

馬場 研究者によって、予算や内容も含めてオファーに応える方もいらっしゃいます。社会貢献という意味でも、臨機応変に対応したいと考えているのではないでしょうか。

《丸田鉄平/HANJO HANJO編集部》

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