日本初のアーチ式砂防堰堤・大源太川第1号砂防堰堤を補強 画像 日本初のアーチ式砂防堰堤・大源太川第1号砂防堰堤を補強

インバウンド・地域活性

 ◇1939年完成のアーチ式砂防堰堤
 新潟県越後湯沢町にある日本初のアーチ式砂防堰堤「大源太川第1号砂防堰堤」の本格的な補強工事が始まる。同施設を管理する北陸地方整備局はスタートに先立ち23日、現地で起工式を行った。式典には、西山幸治国土交通省水管理・国土保全局砂防部長、中神陽一北陸整備局長をはじめ来賓の長島忠美衆院議員、田村正幸越後湯沢町長ら約60人が参加。中神局長、田村町長ら8人が鍬入れを行い工事の安全を祈願した。補強工事は20年度ごろ完成予定。施工は佐藤工業が担当する。
 大源太川第1号砂防堰堤は高さ18メートル、長さ33メートルのアーチ式砂防堰堤で1939年11月に完成した。その形や構造、先進的な築造技術はその後のアーチ式堰堤、高堰堤の手本になったと考えられており、03年には登録有形文化財に指定された。
 表面に割石を使った堤体から流れ落ちる流水は天然の滝のように見え、周囲の景観とも調和している。その姿はいつしか「大源太キャニオン」と呼ばれるようになり、越後湯沢町の観光名所の一つとして親しまれている。
 だが、完成から77年が経過し堰堤内部に空洞化した場所が見つかるなど劣化が進み、補強が必要になっていた。このため、北陸整備局は14年度から補強の準備を始めていた。堰堤やダム堤体にコンクリートを打設して補強する腹付け工は、湖面の反対側の乾いた部分に行うのが一般的。
 これに対し同工事では堰堤表面の現在の質感を残すために、堰湖の大源太湖に面した堰堤の後ろ側(上流側)に仮締め切りで水に触れない乾いた空間を造りだして、腹付け工を行うという全国的にも珍しい方式を採用する。
 席上、中神局長は「昔の趣を残して、今の景観を損なわないように配慮したい」と語った。
 局が示したスケジュールによると補強工事は、ステップ1~6の六つの段階を経て完成させる。
 アーチ型の堰堤に近い場所を横断するように設ける桟橋を設置する1は既に完成。この桟橋は、後に設ける堰堤の水を下流に流す役目の仮排水路トンネルの掘削残土や資機材を運ぶのに使う。
 12月ごろ開始予定の2では仮排水路トンネルを掘削するための作業空間と堰堤周辺の散策路を設ける。
 3では今は堰堤から流れ落ちている流水を切り回して下流に流す延長約104メートルの仮排水路トンネルを掘削する。掘削工事は17~18年度に行う予定。
 今は水で覆われている堰堤の後ろ側(上流側)への水の浸入を防ぐ役目の仮締め切りを設ける4も3と同時期に実施する。
 19年ごろ実施予定の5では堰堤の上流側にコンクリートを打設して補強する腹付けと、堰堤内部にセメントミルクを注入して補強する工事を行う。
 20年ごろ予定の6では仮締め切り、仮桟橋などの架設物を撤去して周辺の景観や自然環境を施工前の状態に戻す工事を行う。

北陸整備局/大源太川第1号砂防堰堤補強(新潟県越後湯沢町)が起工/施工は佐藤工業

《日刊建設工業新聞》

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