健康管理はコストではなく投資――CHO構想実践セミナー 画像 健康管理はコストではなく投資――CHO構想実践セミナー

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 とくに近年では三宅氏のように、心理学療法など心身両面にわたって治療・アドバイスできる“マルチ産業医”が登場してきているとのこと。これからの産業医は、心身の両面で企業と従業員をケアするべきとの持論を述べた。

 そのほか、今回のセミナーでは中小企業向けの健康経営の在り方についても講演があり、日本政策金融公庫総合研究所研究員の佐々木真佑氏が、「中小企業が健康経営に取り組むうえでのポイントと期待される効果」について語った。

 佐々木氏によれば、「従業員の少ない中小企業ほど、健康の影響は大きい」とし、同氏が関わったいわゆる街の飲食店のケースを紹介。「夫婦と従業員1人という3人で営んでいたが、妻が病に倒れ、夫は介護に追われて結果的に店を閉じることになった」というケースについて、「やはり従業員の少ないところは、影響が大きくなりがちで、より健康に留意すべきだ」と話す。

 また、中小企業における健康経営の普及状況についても触れ、「大企業と比べて『健康経営』に関する認識度が低い。取り組んでいるという企業はさらに少ない」と説明。普及を推進するためには、助成や補助金支給などのインセンティブが必要と話す。一方で、中小企業というのはキーマンが限られているので、その人さえ説得できれば導入は比較的スムーズとのこと。「従業員の健康管理は『コスト』ではなく『投資』だ」という認識が広がれば、普及は進むだろうとの見方も示した。

■健康経営促進には中小企業の参加が不可欠

 会場では神奈川県内の企業におけるCHO構想への取り組みについて、その実例を紹介。川崎市に本社がある昭特製作所の担当者が登壇し、同社の取り組みについて語った。また、ゲスト講演者として脳科学者で医学博士、横浜市立大学客員准教授、東日本国際大学教授の中野信子氏が「健康に活かす脳科学」というタイトルで講演。「体の傷が治癒するのに時間がかかるように、心の傷も回復には時間がかかる」と訴えた。

 神奈川同県内の事業所の99%以上を占めるという中小企業。健康経営の普及には、この中小企業の参加が不可欠である。中小企業に対してどうCHO構想を働きかけていくか。神奈川県のCHO構想への取り組みは、まだまだ続く。

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《関口賢/HANJO HANJO編集部》

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