書籍『戦略思考のリスクマネジメント』に学ぶ中小企業の危機管理力 画像 書籍『戦略思考のリスクマネジメント』に学ぶ中小企業の危機管理力

制度・ビジネスチャンス

 企業の不祥事を報じるニュースを目にすることが多くなってきた。食品メーカーによる集団食中毒事件に始まり、食品偽装問題、個人情報漏えい問題などが次々に起こり、消費者が企業に向ける視線は厳しさを増している。こうした時代に対応する企業の危機管理力を調査し、戦略的リスクマネジメントとは何かを考察したのが、今年7月に出版された『戦略思考のリスクマネジメント』(企業広報戦略研究所/日経BPコンサルティング)だ。

 企業の危機管理力を「リーダーシップ力」「予見力」「回避力」「被害軽減力」「再発防止力」の5つの力で数値化し、バランスよく実施することで高い危機管理力が発揮できる――。これが本書の提言だ。では、中小企業が危機管理力を備えるには、具体的にどうすればよいのか?

 同書の著者のひとりである、企業広報戦略研究所 主席研究員の黒田明彦さんに話を聞いた。

■不確実性をどうコントロールしていくかが鍵

――『戦略思考のリスクマネジメント』では、さまざまな危機が語られています。中小企業の経営者にとっても、身に迫る話が多いですね。

黒田 00年の雪印集団食中毒事件以降、メディアが企業の不正を追及することが増えてきました。SNSなどの浸透で、消費者も企業の不正に敏感に反応しています。特に消費者に身近な問題については、メディアも大きく取り上げることが多いですね。

 以前の企業は、公害、総会屋問題、談合や贈収賄など、社会的問題への対応に力を入れてきました。しかし、危機が多様化した今日では、食品の表示偽装や異物混入、商品回収、セクハラ訴訟、不当解雇、個人情報の漏えい、地域住民との軋轢など、あらゆる問題にきめ細かい対応を迫られています。

――以前から存在していた問題もあれば、最近顕在化してきたものもありそうです。このような問題に対して何をすべきか、中小企業がまず意識すべきリスクマネジメントについて教えてください。

黒田 リスクの本来の意味は“不確実性”ということです。不確実性をどうコントロールしていくかが企業の戦略として重要です。企業が成長していく上では、マイナスをなるべく減らす努力が求められていますが、マイナスをどの程度許容できるのか見極めることが、リスクマネジメントなのです。これは、大手企業も中小企業も変わりません。リスクを避けるのではなく、リスクを管理することで成長が可能になるのです。

《斉藤裕子/HANJO HANJO編集部》

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