【国産家具を世界へ!:2】インバウンドを世界市場につなげる 画像 【国産家具を世界へ!:2】インバウンドを世界市場につなげる

海外進出

【記事のポイント】
▼インバウンドの体験、口コミを世界からの受注につなぐ
▼日本の木製家具は韓国・台湾での需要が高い
▼ホテル・旅館に家具を入れてもらうことで、訪日客の関心を高める


■インバウンドが切り開く国産家具の海外進出

 日本政府観光局(JNTO)の統計によると、16年1~9月までの訪日外客数は約1797万人。昨年比で24.1%の伸び率を見せている。中でも訪日観光客に人気の観光地として注目されているのが、中部北陸9県の「昇龍道」。能登半島を龍の頭に見立て、尾を三重県に置く、通称“ドラゴンルート”とも呼ばれる観光エリアだ。

 このルート上にある岐阜県高山市に本社を置くのが、木製家具メーカーの柏木工。同社が今取り組んでいるのが、家具におけるインバウンド対策だ。15年9月には延床面積が1000平方メートルに及ぶショールームを開設して話題となっている。

「ショールームは飛騨高山のランドマークとなればと思い設立しました。海外戦略では展示会にも出展していますが、コストがかかる上、競合他社との価格競争に陥りやすいのが難点です。そこで、訪日客にショールームの家具を見てもらう方が効率的だと考えました」

 柏木工 取締役 企画広報室室長の関ひろみ氏によると、以前も本社2階にショールームを用意していたという。これを、木工家具の象徴として山小屋風の木造建築にし、独立した建物に移したところ、来客数は6~7倍に膨れ上がったとのこと。1日に2回実施している工場見学ツアーも人気を集めている。

 ショールームには台湾、中国、タイといったアジア圏だけでなく、ヨーロッパからの観光客も訪れるという。売れ筋はいわゆる“脚物”と呼ばれるテーブルや椅子。ただし、背の高い外国人には日本の家具は小さいため、規格を大きくして対応しているとのことだ。

 訪日客がショールームを訪れるようになったことで、最近では海外の住宅メーカーやインテリアデザイナー、家具販売業者が柏木工に関心を持ち始めたという。展示会に代わる海外戦略の拠点としてのショールームが、まさに成果を見せつつあるようだ。

■インバウンドも多い韓国・台湾がマーケットとして狙い目

 実は、柏木工が参加している飛騨木工連合会でも、以前よりインバウンド対策を進めてきた。同連合会が主催して毎年9月に開催している「飛騨の家具フェスティバル」では、海外のバイヤーとの成約が、5日間で1億円を超える規模となっている。これは、木工連加盟の会員各社が、海外への拠点づくりを進めてきた成果といえよう。

 柏木工でも08年に韓国に進出し、現地の代理店と組んでソウルの百貨店での販売を続けている。14年には、さらに台湾にも進出した。

「海外進出のきっかけとなったのは、韓国の住宅メーカーやデザイン事務所からの発注があったこと。そこで現地の代理店と組んで販売を開始しました。もともと韓国や台湾には自国内に家具メーカーがなく、“家具は輸入するもの”との認識があったようです」

 韓国マーケットでは欧米諸国との競争が続いているが、欧米の家具はメタリック調が多く、木の風合いの良さを活かした家具については競争相手がいないのが強みだという。しかし、近年では韓国経済が落ち込んでおり、ソウルでの需要が伸び悩んでいるとのこと。今後は、プサンなどの南部の都市にも販路を広げる計画だ。

《斉藤裕子/HANJO HANJO編集部》

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