SelfieW.Me ……プリクラから進化したマーケティングツールの実例に学ぶ 画像 SelfieW.Me ……プリクラから進化したマーケティングツールの実例に学ぶ

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 地域や業界に関わらず、筆者には「温故知新」はいつの時代もビジネスモデルのブレイクスルーのキーワードになるという信念がある。時代は移ろい、消費の中心となる層も常に様変わりする。技術の進歩と世代の入れ替わりで、需要の形態は異なったとしても、人類の消費行動自体には大きな変化がない。よって過去に流行ったモノやサービスが形を変えて再流行することがビジネスチャンスとなる。

 最近ではPokemon GOによるポケモン熱の再ブレイクがこれである。我が家でも子供たちは急に昔のポケモンの動画を見始めるし、巷にはポケモングッズがまた並び始めた。とかく「オワコン」などと言って過去に見向きもせず新しいものばかりを追いかけるだけではいけない。

 アメリカにおけるそんな温故知新ビジネスモデルの一事例として今回紹介したいビジネスが Selfie With Me(セルフィー・ウィズ・ミー、SelfieW.Me、以下SWM)である。運営会社であるSocial Rewardsの共同創業者マイク上杉氏は日本人で米国の高校時代からの親友であり、会社を数社売却した経験のあるシリアル起業家のジョーと共にこのビジネスを立ち上げた。今回は上杉氏へのインタビューを中心にこのビジネスモデルの特筆性と展望、着眼点についてまとめてみた。

 Social Rewardsはアメリカでシード調達も済ませているITベンチャー企業だが、もともとは映画館向けのソーシャル・プロモーションを中心に事業を展開していた会社だ。しかし、停滞気味の映画業界におけるビジネス展開が当初思うようにいかず、ピボットして新たに立ち上げたのがSWM。一見これは映画館やスポーツ・アリーナ、イベント会場などに向けた「プリクラ」の焼き直しなのだが、インスタグラムやフェイスブックなどソーシャル拡散に特化しているため「印刷」機能がなく代わりにマーケティングに活用できる様々なデータ解析ツールを実装しているのが特徴だ。前述の技術の進歩と世代の入れ替わりによる需要の変化に絶妙に対応したことで成功しており、実はプリクラとは似て非なるものである。

 最初のビジネスで映画館や配給会社とのコネクションができたことから、まずは同様に映画館に特化した事業展開から着手。写真の背景画像にプロモーションを行っている映画の壁紙やキャラクターを挿入することで映画の宣伝になり、消費者の拡散を期待している。映画の興行収入は封切り直後の初動が極めて重要であるため、この宣伝は主に新作上映の直前2~3週、上映最初と翌週という3~4週間に的を絞って行われている。

 インターフェースもごく簡単で単純なステップで撮影と共有ができるようになっているのが特徴だ。ユーザーは電話番号かメールアドレスを必ず入力する必要があり、そのどちらかにランディングページつきの画像が届くようになるという仕組み。このランディングページでは動画のトレーラーやクーポンなどが含まれており、ダイレクトマーケティングの要素が強い。

 1枚を撮影する際の平均時間はわずか40秒ほど。ソーシャルに特化したことにより、印刷の手間が減り回転がよくなった上にメンテナンスの手間も省けることでスケールしやすいビジネスモデルになっている。将来的には動画やエフェクトなどの導入も予定されているとのこと。
《立入勝義》

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