「地方ウェディング」最前線、キーワードは“地元愛”! 画像 「地方ウェディング」最前線、キーワードは“地元愛”!

インバウンド・地域活性

【記事のポイント】
▼地域で選ばれるウェディングの場には“地元愛”が必要
▼地域コンテンツを活用すると、PR効果などから行政の協力もすすむ
▼インバウンド婚が求めるのは“フォトジェニックなシチュエーション”


■その土地の思い出とともに、ストーリー性ある挙式を

 “ドレスを纏ってチャペルで挙式”という画一的なわかりやすいものから、自分らしさや個性を重視したスタイルへと、結婚式へのニーズは多様化が進んでいる。独自のストーリーのある結婚式でなければやる意味はない。そんな、画一的なサービスでは追い付かなくなったニーズを背景に、地方では行政などと協力し、その土地ならではの新たなウェディングスタイルを創り出す事例も増えているようだ。

 リクルート ブライダル総研 所長の鈴木直樹氏によると、ここ数年では婚姻組数の3割が結婚式をしないという選択をしているとのこと。10年に約70万組だった婚姻組数は減少を続け、15年には約63.5万組に。20年には60万組を切るだろうと推計している。

「そもそも自分たちは何で結婚式をするのだろう、という部分に向き合うところからスタートするカップルが増えていますね。ビジュアル・ハード面重視から、マインド・ソフト面重視へとシフトしています」

 そこで注目されているのが、地域性の中に自らのストーリーを生み出すウェディングというわけだ。中でも、最近では奈良の若草山が結婚式場として話題を集めている。若草山、ひいては奈良のPRにも一役買っているようだ。

「地元の人にとって若草山は遠足で行く場所であり、夜景が美しいデートスポットという位置付け。そんな小学校から大人になるまでの想い出がつまった若草山で挙式したい、という要望があったのでしょう。地元業者の行政への働きかけによって山頂での結婚式が実現し、その後も挙式のニーズが集まっているようです」

 一方、観光資源にウェディングを組み込み、地域の魅力や文化発信のツールとして成功したのが香川県の栗林公園だ。こちらも地元のブライダル業者が栗林公園にかけあい、公園内の施設での挙式を実現させた一例となる。

 栗林公園での挙式の実現について、「特別名勝に指定されている公園を県の象徴にと考える、行政の後押しも大きかったようです」と鈴木氏は話す。350年の歴史を誇る日本庭園での和の結婚式風景は、日本人にとっても印象的だが、観光で訪れている外国人にとってまさにクールジャパンを象徴するシーンであり、またとないシャッターチャンス。SNSなどを通して、国内外へのPRへもつながっている。

 このように、最近では話題性による町おこしもかねて、結婚式に向けた行政の動きも活発だという。各地でウェディング協議会が組織化され、地域で協力し合って地元のウェディングシーンを盛り上げていこうという気運も高まってきた。その背景には、挙式人口の減少への危惧に加え、首都圏でのビジネスモデルを用い、地方での展開を進める大手ウェディング会社の存在がある。

《尾崎美鈴/HANJO HANJO編集部》

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