「東京構想POST2020」。東京三会建築会議が五輪後の東京の都市構想で提言 画像 「東京構想POST2020」。東京三会建築会議が五輪後の東京の都市構想で提言

インバウンド・地域活性

 東京建築士会、東京都建築士事務所協会、日本建築家協会関東甲信越支部で組織する東京三会建築会議は、2020年以降の東京の都市構想とその実現に向けた仕組みをまとめた提言書「東京構想POST2020」を公表した。東京が抱える災害対策や観光振興などでの課題の解決に向け、建築家・建築士が▽コミュニティアーキテクト▽事前復興ファシリテーター▽都市観光インキュベーター▽建築ライフサイクルマネージャー-の四つの責任を果たすと強調している。
 提言は、建築とまちづくりの専門人材を活用して都市を再整備するよう求め、専門家による総合的なアドバイザー組織の新設や専門家の選定に役立つ「オーダーメード設計コンペ」の導入を提案した。
 東京の都市空間が抱える課題として、▽災害への備え▽バリアの解消▽臨海エリアと木造密集エリアの更新▽歴史資産や建築ストックの保全活用-を列挙。具体的なまちづくりとして、湾岸エリアは豊かな水辺空間の創造による「界隈(かいわい)性」の高い環境を創出し、木密エリアは延焼遮断効果の高い建物を優先的に整備して防災に強い街に改造。両エリアに囲まれた「コア・エリア」は歴史的な街並みや建物を残しながら、都民や観光客に優しい「まちごとバリアフリー」を推進するとした。
 老朽化した共同住宅の建て替えを加速するため、現行の建築基準法に適合しない「既存不適格住宅」を対象に、同一規模での建て替えを認める特例措置の実施、建築ストックの活用促進に向けた建築基準関連規定の大幅な改定、都内に75万戸ある空き家は平常時に旅行者の宿泊施設として活用し、災害時に「みなし仮設住宅」として利用することなどを提案した。
 都市空間と建築ストックの「地域資源」と、建築家・建築士などの「地域人材」を活用して防災性向上と観光開発を進めるための組織として三会を中心に「公益事業新機構」を新設し、コミュニティアーキテクトや事前復興ファシリテーター、都市観光インキュベーターなどの役割を果たす専門家の育成、派遣などを行うことも提言した。
 良質な建築・まちづくりを行う仕組みとして、まちづくり条例の制定や、公共建築の設計コンペやプロポーザルの立案・実施などに関する助言を行う「建築・まちづくりアドバイス機構」の創設を打ち出した。公共建築の設計に若手建築家やアトリエ系事務所が積極的に関与できるようにするため、事業主側に立つ全体統括専門家がプロジェクトマネジャー(PMr)として全体を管理し、「基本計画・基本設計」「実施設計・監理」「調整」を別々の建築家・建築士や組織が行う「オーダーメード設計コンペ」と呼ぶ新たな設計者選定方式の導入も提案した。
 同会議は13日に都に提言書を提出。近くホームページでも公開する。

東京三会建築会議/五輪後の東京の都市構想で提言/総合アドバイザー組織新設を

《日刊建設工業新聞》

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