岩手県で鉢物リンドウの知財権をEUに輸出、収入は品種改良に 画像 岩手県で鉢物リンドウの知財権をEUに輸出、収入は品種改良に

海外進出

 岩手県八幡平市は、特産の鉢物リンドウの商業栽培権を欧州連合(EU)の農家に販売する「知的財産権の輸出」を始める。EUでは鉢物の市場規模が日本よりも大きいが、植物防疫上、土の付いた鉢物をそのまま輸出することができない。このため、現地の農家に栽培権と種苗を売る形でEUでの需要を取り込み、新たな収入源を得て種苗生産や品種改良などに充てる。

 市によると、公的機関が品種登録した花きの知的財産権をEUに輸出するのは全国で初めて。

 EUの鉢物リンドウの年間取扱数量は日本国内の10倍以上の約300万鉢。ただ、鉢物の状態だと根に付着した土を国外に持ち出せないため、そのまま輸出するのは難しい。土を使わずに試験管内で組織培養した種苗を輸出し、栽培や増殖を許可する権利と併せて販売することにした。

 輸出するのは、1999年に国内で品種登録した「メルヘンアシロ」と「シャインブルーアシロ」。両品種ともEU内で品種登録しており、上旬に第1便として2000鉢分を輸出した。

 市は、農産物品種の権利管理などを手掛けるニュージーランドのグリーンハーベストパシフィック(有)と契約を結び、EU内で栽培権を販売する。

 第1弾として同社はオランダの花き生産者でつくる協同組合CNBの子会社、マーキュリアス(有)と契約。同国の農家はマーキュリアスを通じ、品種の使用料として売り上げの3%を支払う。

 市内では全リンドウ農家で組織する一般社団法人・安代リンドウ開発が市と連携し、種苗の生産や品種改良を手掛けている。市は栽培権の販売で得た収入を同法人の経費に充てて、農家の負担軽減につなげたい考えだ。

 市花き研究開発センターの日影孝志所長は「EU市場で安代リンドウの知名度を高め、他の花きの輸出にも弾みをつけたい」と期待する。

■この記事の「英字版」はこちらをクリックしてください。

鉢物リンドウ EUに知財権輸出 収入は品種改良に 岩手県八幡平市

《日本農業新聞》

編集部おすすめの記事

特集

海外進出 アクセスランキング

  1. 盆栽に続くか? コケ玉「MASUMOSS」が海外で人気

    盆栽に続くか? コケ玉「MASUMOSS」が海外で人気

  2. NEC、光海底ケーブル敷設プロジェクトを受注

    NEC、光海底ケーブル敷設プロジェクトを受注

  3. 日本工営がシンガポールで水力発電事業

    日本工営がシンガポールで水力発電事業

  4. インド高速鉄道建設、JR東グループ中心に事業参画へ!

  5. ~日本式介護の輸出:1~有望国は中国! タイ、マレーシアも注目

  6. 日本の食を世界へ! パソナ農援隊がパリにプロモショップ開設

  7. 三井住友建設によるベトナム初の都市鉄道建設工事、総額227億円

  8. 【養殖モノを海外で売る!:1】ホタテの次に来そうな魚介類は?

  9. 「日本流タクシー」がフィリピンで成功した理由

  10. バリ島の絶景撮影スポット、旅好きが決めたランキング上位は?

アクセスランキングをもっと見る

page top