【農業ワールド:1】ドローンやIoT、農家の今を変える技術 画像 【農業ワールド:1】ドローンやIoT、農家の今を変える技術

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【記事のポイント】
▼ドローンによる農薬散布のコスト破壊は個人ユースから、サービスの低価格化はもう数年先
▼贈答品から海外輸出まで、鮮度維持のパッケージが差別化を生む
▼鮮度維持のパッケージは、流通時の歩留まりも改善させる


 優れた肥料。電気分解やマイクロバブルで成長力を高める農業用水。さらには、太陽電池、鳥獣駆除、植物工場など……。日進月歩する農業の最先端を垣間見れる、日本最大の農業展「農業ワールド2016」が幕張メッセで開催中だ。

 安倍政権が“攻めの農業”を掲げているように、これからの農家や農業法人には成長戦略が求められている。では、具体的にどの技術に注目し、何から取り組むべきか。その一端を会場の展示に追った。

■ドローンによる農薬散布開始、気になるコストは?

 今回会場を回った中で、最も目についたのはIoTの取り組みだ。センサー端末を田畑に設置し、温度や日照量、土壌水分量などを長期にわたってモニタリングする。外的環境をデータ化すれば、生産計画や技術の継承に役立てられるだろう。この分野では「e-kakashi」が先駆者として知られているが、今年はライバル企業がさらに増えた印象がある。初期コスト無料で導入できるなど価格面での差別化も見られ、かつて導入を見送った農業従事者も、再検討の時期に来ているのかもしれない。

 そんな、IoTと並んで注目度が高かったのがドローンだ。農林水産航空協会の規定に基づく講習がはじまり、いよいよ産業用無人ヘリコプターに代わる農薬散布の体制が整った。ドローンの販売からメンテナンスまでを手掛けるTEADのブースでは、協会の型式認定を取得した「Mulsan DAX04」を出展。同社の営業企画部 岡田善樹氏によると、今シーズンで100台以上を売り上げたという。

「無人ヘリに比べると機体価格は1/5程度。ホバリングするため操作性がよく、近くに山林が迫る山間地でも飛ばせますので、ニーズはかなり高いです。北海道や東北で広大な圃場を持つ農家では、個人ユースも増えています」

 販売実績では農業従事者、農薬散布サービスを提供する事業者の割合はおおよそ半々だという。では、無人ヘリとドローンを提供する農薬散布サービス事業者では、後者の方がサービス価格は下がるのだろうか?

「ドローンでの農薬散布についてはサービスが始まったばかりなので、明確な相場がない状態です。ただ、オペレーターコストが変わらないので、若干安くなる程度ではないでしょうか」

 なお、現在は運用基準上、2人1組でのマニュアル操作が規定されているが、将来的には自動運転に切り替わるのは間違いないという。それも、そう遠い話ではなく、数年先の話だとのこと。実現すればサービス価格のさらなる値下げも期待できそうだ。

■“獲れたての鮮度”を保つ流通包装の最先端

 農業用資材の展示では、定番の一つになっている流通用のパッケージ。これについても、見た目ではわからないような機能性が、新たな技術開発によって追加されているのが面白い。トップ堂の「カビナイバッグ」もその一つだ。以前は業務用商品や一般消費者向けに提供していたものを、今年から青果包装資材として売り出すという。

 これはジップ袋のように内部を密封する包装袋だが、特徴としては特殊なコーティングによって内部でのカビの発生を防ぐことにある。従来のカビ対策では包装に穴をあけることで、通気性を向上させるのが主流だった。しかし、通気性の向上は生鮮食品の水分を蒸発させ、鮮度が失われる原因となっている。

《丸田鉄平/HANJO HANJO編集部》

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