【防災という新ビジネス:1】定番商品に再ブレイクのチャンス! 画像 【防災という新ビジネス:1】定番商品に再ブレイクのチャンス!

制度・ビジネスチャンス

【記事のポイント】
▼日用品メーカーには、自社の商品を“防災用”として売り出せる可能性がある
▼重要なのはリビングやオフィスに置いても違和感のないデザイン
▼法人向けの販路に大量ロット受注のチャンスがある


■日用品に防災としての新たな売り方を見出す

 熊本地震と相次ぐ台風の上陸で、防災への関心が以前にもまして高まっている。9月1日は防災の日ということもあって、毎年さまざまな防災グッズの情報が話題となるが、そのバリエーションは以前に比べて増加している。オフィス置きのお菓子や自動販売機が“非常食”の看板でシェアを伸ばしているように、さまざまな企業が自らの事業に防災性を見出し、それを新機軸とした商品を売り出しているのだ。

 備え・防災アドバイザーとして講演やコンサルを手掛ける高荷智也氏によると、このような動きは阪神・淡路大震災以降から徐々に広まっているという。それまで一般に備蓄されていたのは、懐中電灯やヘルメット、応急手当用品、救助用のバールなど震災直後に命を守るためのものだった。しかし、最近では無くても死なないが、避難生活であると便利なアイテムにも防災グッズとしての需要が伸張している。

「とはいえ、避難生活といっても、そこでの行動は日常と大きく変わりません。つまり、過酷な環境やライフラインが途絶していても使えるものであれば、それは防災用として売り出せる可能性があるといえます」

 具体的には調理器具、ドライシャンプー、ペーパー歯磨きといった日用品で、イメージとしてはキャンプ用品に近い。また、熊本地震では多くの被災者が車中泊を選んだが、そこにはパーソナルスペースへのニーズが見て取れるという。避難所でも生活空間を仕切るパーティションなどが、今後多くの需要を集めることになるかもしれない。

 高荷氏によると防災グッズに必要な要素は、頑強性、携帯性、自己完結性の大きく3つにわかれるという。これについては公的機関や研究機関といった第三者の認定を取得することが、付加価値につながりやすい。対落下性能や防水性能を検査し、共通規格での認定を受けることは、防災性のアピールにもつながる。

 ただ、それに加えて“売れる防災グッズ”であるためには、もうひとつ重要な要素がある。それがデザイン性だ。

■デザイン性のない防災グッズは売れない

 防災グッズは非常時しか使わないため、そのときのニーズだけを考えればデザインの優先度は高くない。しかし、そこに落とし穴があると高荷氏は話す。

「防災グッズは避難時に素早く持ち出せなければ意味がありません。つまり、設置場所は玄関になりますが、デザインの悪いものをいつも目に付く場所には置きたくありません。この認識が一般に広まる中で、近年ではいかにも防災用といったデザインのアイテムが淘汰されつつあります」

 つまり、求められているのは日常生活の中にもなじむ、インテリアのようなデザインだという。さらにいうなら、女性向けという視点も重要だ。部屋のインテリアにしても、企業の仕入れを担当する総務のスタッフにしても、購入の裁量を持つ人の多くは女性だ。そのデザインが女性目線でアリかナシかというのは、販売機会を大きく左右することになる。

《丸田鉄平/HANJO HANJO編集部》

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